遅すぎたブロックの材料搬入
一方、仕事師はブロック積みの施工が決定した後、すぐに必要なブロックの材料数を確認し、監督者Yにオーダーをかけるよう頼みました。ところが、監督者Yはこの話があった1週間後に、ようやく材料のオーダーを行うという怠けぶり。
オーダーが遅れるだけならまだ良かったのですが、施工現場が遠いなどの諸事情から、ブロックの材料屋は、一日3トンダンプ1車分しか、ブロック材料を搬入できない、という事態になりました。
仕事師はブロック積みのプロなので、3トンダンプ1車分の材料なんて、半日も必要としません。ブロック積みが完了しても、もうその日は材料の搬入がないわけですから、仕事師の仕事も止まり、工事進捗率も伸び悩むことになります。
元請会社も仕事師たちも赤字に
結局、この現場でブロックを完全につき終えたのは、工期が過ぎた1週間後でした。もちろん、現場の純利益は上がるはずもありません。さらに、元請だけの赤字ならまだしも、施工を担当した仕事師たちの会社も赤字になってしまいました。
その結果、下請け業者は烈火のごとく怒り、監督者Yの現場では、もう仕事を受けてくれなくなってしまいました。
今考えれば、最初から近隣住民と円滑にコミュニケーションを図り、位置決めと測量をスムーズに行っていれば、1週間早く施工に取り掛かることができた現場でした。また、材料オーダーをあらかじめ逆算して搬入することが出来ていれば、仕事師の仕事のペースからして3日もあれば終わる現場でした。
最終的には大きな赤字を招く結果となりましたが、そもそも監督者Yには、現場管理以前に、人間としての意思疎通能力が欠けていたのかもしれません。
近隣住民への対応をナメると、のちに大火傷する例は、この他にも多数ありますので、ぜひ反面教師にしてください。