「塩ビシート防水」の施工ポイント
屋上で用いる防水材の種類として、アスファルト防水やらウレタン防水やら、さまざまなものを見ると思います。なかでも、塩ビシート防水(塩ビ防水)は、降雨後すぐに施工できるなど、工程管理上のメリットがあり、出荷量を伸ばしています。
塩ビシート防水は1層で完結し、手軽そうにみえます。しかし、塩ビシート防水には、季節ごとに施工で注意しなければいけない点があります。
塩ビシート防水の施工方法「接着工法」および「機械的固定工法」
塩ビシート防水の施工に当たっては、シート状の防水材を屋上に広げて、防水層を完成させます。ただ、敷き込んだだけでは、どこにも固定されていないため、風が吹いたら飛んでいってしまいます。そこで、下地(もしくは既存防水層や保護コンクリート層など)に対して、何らかの方法で固定する必要があります。そしてシート同士は水が入り込まないように一体化させます。
塩ビシート防水の固定方法は、2つに大別できます。「接着工法」と「機械的固定工法」です。
接着工法は、接着剤等を使うことで下地に対して全体を固定化して施工します。一方、機械的固定工法だと、あらかじめ接着剤が塗られた固定具を下地に対してビスでとめて、その後シートを敷く形になります。そして、シートの上から誘導加熱装置を用いて固定具の上の接着剤を温めて溶かし、シートの裏側と固定具を接合する方法です。
イメージとしては、接着剤の塗られた画鋲を何本か指しておき、その後、ポスターを上からかぶせて貼り付けるような感覚です。接着剤は固定力は高いものの、乾くまで時間がかかるなどのデメリットがあるため、今は機械的固定工法が一般的になっています。