捨てコンクリート打設で、地下水を遮断
現場の状況は、境界付近における機械式駐車場ピットの掘削工事の真っ最中。
この現場はピットの外壁面と境界面が250mmしか離れていなかったので、山留めの方法も限定されるため、シートパイル1などの根入れを深く入れる工法は採用できませんでした。
しかも、地下水位が高い土地で、もしかすると地下水の通り道だったのか、かなりの地下水が湧き出ていました。
そのため当初の計画では、全て掘削を掘り終えてから、捨てコンクリートを一気に打設しようとしていたのを急きょ計画変更。毎日、掘削を完了させた部分に捨てコンクリートを打設して、地下水を遮断しようとしていたのです。
盤膨れに「捨てコンクリート打設」で対応
数時間後、現場を覗いた時にふと今朝の出来事が気になって、現場で作業している作業員さんと掘削地盤のレベルをもう一度確認することにしました。
すると驚くべきことに、掘削完了後2時間くらいで、地盤が50mmも上がっていたのです。
「マズイ!盤膨れが起こっている!」
私は頭の中で、対策方法を色々考えました。施工管理者の皆さんの中には、「最適解は他にあるんじゃないの?」と考える方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、当時の私が思いついた対処方法は「捨てコンクリートを厚く打設して、重量で押さえつける」という方法でした。
この「捨てコンクリートの厚みを変更する」という案は、以前の現場の所長が雑談の中でポロッと話していた内容がヒントになったのです。
その現場所長との雑談の内容は「捨てコンクリートも150mmくらい山留めまでしっかり当てて打設すると、切梁のかわりになるんだよ」というものでした。