「超ウルトラC」で乗り切った木造の改修工事
木造の改修工事は、新築工事よりも面倒である。
規模、構造にもよるが、くれぐれも施主に不確実な約束だけはしないほうが良い。
木造の一般的な住宅で、間取りを変更し、大きな空間が欲しい。――そんな要望に憶測だけで返事をした結果、かなり困った挙句、超ウルトラCで乗り切った現場の経験談を紹介する。
木造の改修工事はバランスを考えるべき
そもそも木造の改修工事では、素直に柱の位置に柱を重ね、バランスを考えていくべきである。
1階に居間等の大きな空間を設置し、上階は寝室等の小さく小割りした部屋を設置するのが一般的だが、1階の無柱空間にも限界がある。
昔の民家のように際限なく大きな梁成を使ったり、丸太をそのまま梁として利用できるならともかく、一般的な住宅の、しかも改修であれば、部屋の真ん中に柱が来てもいいんじゃないかと思う。
白状するが私も若い頃は、チャレンジ精神旺盛だった。住宅の一階居間を、大空間にしたいがために、3間×3間の18帖の無柱空間を2尺の梁で支えるなど、随分無理を通したこともある。
勿論、住宅は周囲に迷惑さえ掛けなければ、どんな自由な空間を造ろうと、他人からとやかく言われる筋合いはないと思うが、改修工事となると、出来る事と出来ない事がある。