建設業の人手不足は「労務単価」を上げないと続く
――「いずれ職人がいなくなる」という話も聞きます。
福井 労務単価の問題もあると思います。現場仕事は、「暑いときは暑い、寒いときは寒い」仕事なので、今の若者は普通、やりたがりませんよね。労務単価を上げないと、人手不足は続いていくと思っています。
――週休二日についてどうお考えですか?
福井 週休二日にするのなら、作業員の賃金引き上げが必要だと考えています。建設業の魅力の一つは、賃金ですから。ちょっとずつ上がってきてはいますが、まだ足りないと思っています。
――福井組の新卒採用は、地元の高校から?
福井 そうですね。この辺では、土木建築を学ぶのは徳島科学技術高校しかありません。ただ、学校の勉強は実務では役に立たないので、普通科にも求人を出しています。
私が一番心配なのは、高齢化です。福井組もそうですが、技術者の年齢構成を見ると、「失われた10年」によって、40才台より下の世代がスポッと抜けているんです。
前の会社が倒産、建設業界はどうかいな?
――笠岡常務は福井組では長いんですか?
笠岡 福井組に来て9年目です。その前は、別の建設会社で現場仕事をしていました。20年ぐらい勤めていましたが、その会社が倒産したんです。縁があって、福井社長に声をかけていただいて、福井組のお世話になることにしたわけです。
――スカウトされた?
笠岡 今でも覚えていますが、前の会社の倒産が公表された日の昼に、「いけるか?」とお電話をいただきました。
――狙っていた?
福井 良い技術者だとは思っていました。そのときの電話は「この先どうするのか」という確認程度でしたが、「縁があったら、ウチに来て欲しい」という思いはありました。
――会社が倒産したときの心境は?
笠岡 会社が倒産したときは「この業界はどうかいな」と思いましたが、すぐに「やっぱりこの業界しかない」と思い直しました。大変なこともあるけど、やりがいがあるし、この「仕事が好き」だったからです。
――「やりがい」と言うと?
笠岡 やっぱり「ものづくり」ですよね。土木の現場はどの現場も大変ですが、大変だったら大変だった分、終わったときの喜びは大きいです。「ものづくり」という意味では、そもそも自然相手の仕事なので、特殊だと言える現場はそんなにありません。地元住民が特殊ということはありますが。
――失敗したことは?
笠岡 失敗は毎回です。今になってつくづく思うのは、土木の仕事は「失敗の積み重ね」で成り立っていますね。失敗しないと、なかなか仕事を覚えられません。
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