ハイブリッド給湯器が有利
気になる点を挙げましたが、毎日のように工事をしている設備屋としては、エコキュートと比べて、ハイブリッド給湯器のほうが少し優位かなと感じています。
住まれている地域や家族構成、何よりもお湯の使い方にもよるのですが、平均的な条件ならハイブリッド給湯器のメリットはやはり魅力です。
ただ、このハイブリッド給湯器、一般の方の認知度が低く、普及には至っておりません。理由はメーカーが大きな広告を出せていないからです。
なぜ出せていないかは、大人の理由がありまして、ガスを供給している会社、仮にOガス社とするとOガス社が展開しているガス機器が売れなくなってしまうからです。
展開していると言っても、ガス機器メーカーに生産依頼するOEMでの展開です。このOガス社に気を使って広告が出せないとのこと。
エコキュートは長期的な視点で考えましょう
少し話が脱線しましたが、ハイブリッド給湯器にしても、エコキュートにしても、どちらも経済的メリットを享受しようとすると、最低でも7~10年は使わなければ意味がありません。
ちなみにメーカー発表の耐用年数は10年です。この7~10年は結構な年月だと思います。
例えば家族5人でよくお湯を使う18歳と15歳と13歳のお子さんがいらっしゃる家庭があったとします。
ガス給湯器が壊れかけていて、光熱費を抑えようと、オール電化にしてエコキュートを検討しているとしましょう。ガスコンロからIHクッキングヒーターへ、ガス給湯器からエコキュートへそれぞれの交換とそれに伴う施工などを含めると、恐らく70万~100万円ほどかかるでしょう。
施主は8年使えば元を取れると判断し、オール電化にしてエコキュートの設置を選択しました。しかし、お子さんはそれぞれ大学進学と同時に家を出て行き、全く元は取れませんでした。
いかがでしょうか。この例え以外にも、家族構成の変化や引っ越しなど、いろいろ考えられますが、経済性が導入理由であるなら、長期的な視点で考えないといけません。
ハイブリッド給湯器の環境性も大事
最後に大事な環境性ですが、一番優れているのは、ハイブリッド給湯器です。
例えば、オール電化で深夜電力契約している場合でも、エコキュートは90度で保温するので、放熱ロスが発生します。
ハイブリッド給湯器は機械学習によって、最適な温度で保温するので、ロスがほぼありません。もちろん使い方次第ですが、ガス使用時も排気熱を再利用する仕様になっているので、それも要因かと思います。
熱源機の選択に迷ったらCO2排出量の観点から、ハイブリッド給湯器を選んでもいいかもしれません。