BIMで素人でも建築技術者に?
では、図面が3次元化することで、誰でも理解が容易になるのでしょうか?素人でも建築技術者として成立するのでしょうか?
私は会社に入ったときに先輩から「図面から建物が3次元でイメージ出来るようにならないとダメだ」と教わりました。建築の現場で施工管理を行っていく上で「2次元から3次元への変換」は必須能力であり、1~2年で容易に体得できるものではありません。
しかし、最初から3次元の情報が与えられていれば、2次元を3次元に変換する工程は省かれます。それだけで建築技術者として数年かけて習得すべき技量が必要なくなったと言えます。ということは、将来、素人が建築技術者として一人前になるまでのスピードは早まるのかも知れません。
ただ、だからといって、建築技術者として必要な能力はそれだけでは養えるとは考えられません。
30年前の手書き図面とCAD
私は先日、建物の改修依頼を頂き、30年前の図面を見る機会がありました。その図面を書いたのは現在は倒産した地元の建設会社の設計部が書いたものでした。図面自体は手書きで描かれていました。
図面の中身は配置図、面積表、仕上表、平立断面図、矩計図、建具表、平面詳細図が2枚。建物用途は単純な事務所だったので、完成形をイメージするには十分でしたが、部分詳細図などの納まりの図面が一切ありませんでした。
現在では、どこかの詳細図のデータをCADでコピペすれば体裁は整うのでしょうが、手書きの時代では必要な図面は設計者が描くしかありません。そこで、詳細は同じ会社の「施工部門にお任せ」という気持ちもあったかも知れません。
ご存知の通り、建築現場では設計図で仕事をするのではなく、施工図を現場で作成してから施工にかかります。つまり、設計図はいわば「イメージが描かれた図面」であり、実際に仕事を行う図面ではありません。
きっと、その30年前の現場の技術者は、満足とも言えないこの図面から、実際に建物にするために補完すべき情報を自分の経験の中から足していって施工図を描いていったのでしょう。CADのある現在よりも数倍「経験」や「想像力」が建物を施工するために必要だったことは、当時の設計図からの作業量を想像すると明らかでした。
すげーいい記事。
おっしゃる通り、イメージできる能力はBIMでも必要。楽だからBIMって感じでいいと思う。そー楽なんだよ。
BIMの怖いところは、実現不可能なものが一見納まっているように見えると言うところだと思います。おっしゃる通り表面上に見えない部分や出来上がるまでのプロセスを、管理していく技量がとても大切だと思います。
まずBIMで作り、施工図が要らなくなるというのはまだまだ先の話だと思う。
現場では施工図を見て職人さんが施工するわけで、BIMの図面を見ながら施工する職人がどの位いるだろうか…
BIMを平面図にすることは出来るが、平面に切るレベルは基本的に一定であり、サッシがない所を切ってしまうと、ただの壁しか映らない。
(勿論表現する方法はいくらでもある。)
職人皆がBIMソフトのビューワーを使いこなせるようにならない限り、BIMで施行は難しいと思う。
しがないCADオペです。
本日、手書き製図がデータで送られてきました。
本当に感動しました。
最早不要かもしれませんが、私自身の為に
今更ながら製図検定を受けようと思いました。
ストンと腑に落ちました。しかし、BIM導入には、特にお金を出す50代の古い人が「使えるの?大丈夫?」となるとなかなか難しいです。とにかく、ソフト代が高すぎて、スーパーゼネコンが入れているソフトは維持できません。今はまだ導入期で完全に施工までやっているところは無いとかですよね。私もBIMが素晴らしいのはわかります。可能性を感じるのもわかります。家で体験版使って忘れないように頑張ってます。
意匠図と構造図から読み取る力は必須なので
「素人でも」というのは止めてほしい