災害復旧工事で施工管理
私の地域の被害は、主に土砂崩れ、河川の氾濫、増水であった。
われわれ土木業の人間が担当する業務は、人命救助ではなく、市役所の指示で里道や国道の土砂を撤去し、交通を確保することである。川の浚渫工も担当している。
土木施工管理技士である私の業務は、ずばり写真整理である。この緊急事態の現場においても、普段の業務と同様、写真整理を行わなければならない。2次災害が発生する前に、一刻も早く工事を進めなければならないのに、着工前や撤去物の数量を図り、写真に収めなければならないのだ。
これには違和感を覚えないだろうか?県外から詰めかけたボランティアが、緊急を要する作業を進めている中、写真管理を行うのだ。しかし、写真を撮影するために何時間もかけている余裕は、災害の現場にはない。
だから、われわれは必要最低限の管理で復旧工事を進めることの重要性を、市役所などに訴え続けている。着工前と完成後の写真を撮影し、作業状況の写真を何枚かだけ撮影するだけでも十分ではないでしょうか、と。
ただ、災害復旧とはいえ、われわれも工事によってお金を頂いている立場である。こういった提案をわれわれ施工管理技士が丁重に訴え、それを実現していかなければならない、という苦労に直面している。