掲げたフレーズは「儲かる建設業」と「従業員の幸せ」
鳥取県建設業協会は東部建設業協会、中部建設業協会、西部建設業協会、日野建設業協会、八頭建設業協会の5協会から成り、新任の山根会長は八頭建設業協会の会長も兼任している。今年4月、4期目の続投が決まった。
新たに鳥取県建設業協会の会長職に就いたことについて、山根会長はこう話す。
「やはり会合に出る機会が増えたので、随分忙しくなりましたね。1年に1回の会合でもその数が増えると大変です。東京や広島への出張もあり、皆さんと顔を合わせてコミュニケーションを取る機会が増えました。中心は自治体の会合です。私はまだまだ会を代表して意見を言うに留まっています、具体的な提言をするような能力はありませんので(笑)」
そう謙遜する山根会長。掲げているキャッチフレーズは2つ。「儲かる建設業」と「従業員の幸せ」だ。
「鳥取県建設業協会の加盟企業もピーク時より6割減って、今は270社といったところです。16年前の予算削減の影響ですね。従業員の幸せを第一に考えながら、しっかり稼いで余裕のある経営を一丸となって推進していきたい。
また、雪かきやボランティアなど地域の弱い部分を助けていきたいと考えています。雪かきなどはお金をいただきますが、インフラのことですので、我々の社会的使命だと捉えています。」
建設業の人材確保の難しさと週休2日問題
鳥取県の建設業が抱えている問題について山根会長に尋ねると、やはり「人材の確保」を挙げる。
「土木の予算はおよそ12兆円から6兆円に半減していますから皆さん先が見えず、人を雇わなくなっています。でも、それではいけないんですよね。教育もできないとなると、社員のモチベーションも上がりません。
そもそも応募者も少ない。鳥取で言うと、工業高校の土木建築のクラスは1クラス40名程度に過ぎません。その有望な40名も半分は県外に出てしまい、残りも全く違う業種に就職してしまいます。」
新卒だけに限らず、建設業に携わった人に見限られてしまうことも多いと山根会長は話す。
「休みが少ないのと、資格を持たない場合はどうしても給料が安くなってしまいますからね。休みに関しては最近、週休2日の導入で日給月給の技能者をどうするのか?という問題も出てきています。
当然、工期が遅れることにつながるのでそこの配慮も必要です。ここを併せてどう改善していくのかも問われていますし、改善しない限りは建設業界を見限られてしまう状況が続いてしまうという危機感を持っています。」