施工の神様 powered by 施工管理求人ナビ
  • 施工の神様とは?
  • 記事掲載・取材をご希望の方へ
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設用語

建設会社の社長が、毎夜バーカウンターに立つ理由とは?【秋田県・後藤建設】

  • インタビュー
『施工の神様』編集部
公開日:2017.11.16
  • シェア
  • Tweet
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0 コメント
  • メールで共有
建設会社の社長が、毎夜バーカウンターに立つ理由とは?【秋田県・後藤建設】

建設会社の社長が、毎夜バーカウンターに立つ理由とは?【秋田県・後藤建設】

目次
  1. 夜になると「バーテンダー」に変身する後藤建設の社長
  2. 「建設会社の社長」「不動産会社の社長」「バーテンダー」3足のわらじ
  3. なぜ、後藤建設は田舎町にワインバーをつくったのか?
  4. ワインバーをやって「建設業は恵まれている」と実感
  5. 従業員も社長も「個人のビジョン」を追求していく後藤建設

夜になると「バーテンダー」に変身する後藤建設の社長

JRの駅もない田舎町、秋田県羽後町に「建設会社の社長」と「不動産会社の社長」をしながら「バーテンダー」をする変わった人物がいると聞いて会いに行ってきました。

彼の名前は、後藤裕樹。約50年続く株式会社後藤建設の社長です。

バーテンダーをするようになって一番感じるのは、なんと「建設業がいかに恵まれているか」ということだそう。バーカウンターからは今までとは違う建設業界の景色が見えるようです。

「建設会社の社長」「不動産会社の社長」「バーテンダー」3足のわらじ

――建設会社の社長でバーテンダーをやっている人は珍しいですね。

後藤社長(以下、後藤) なかなか、いないでしょうね。秋田弁でいうと“めくせ”ですからね。かっこわるい、世間体が悪いというような意味です。私はそういった部分にはプライドがないですからね。バーテンどころか、掃除や仕入れも私がしています。まあ、普通はやんないですよね。

――後藤さんって、雰囲気が建設会社の社長ではないような。失礼ながら、ほんとに社長をされているんですか?

後藤 こう見えて、社長歴12年です(笑)。20歳の時に祖父が経営していた後藤建設に入社して、26歳の時に社長に就きました。父は農業をメインでしているので、私が継ぐことになったんですね。会社自体は、公共工事や解体工事をメインにする一般的な建設会社です。

後藤建設の社屋と除雪車。砂利工場からはじまった創業約50年の建設会社だ。

後藤建設の社屋と除雪車。砂利工場からはじまった創業約50年の建設会社だ。

――「建設会社の社長」と「バーテンダー」の兼業は、ほんとタイヘンでしょうね。

後藤 昼間は社長業、夜はバーテンダーだと、プライベートの時間がないですね。社長業では、会社全体の利益を管理したり、従業員の日報や現場の進捗をチェックしたり。あとは不動産会社もやっているので、そちらの物件管理の業務もしています。

――会社が終わると、すぐバーテンダーというような生活ですか?

後藤 いや、その前に自宅に帰って掃除と洗濯をしなければ。私の担当ですから。あとは小学校1年生と1歳の子どもをお風呂にいれたり。それが終わったら、店に来るような流れですね。そして店に来るとまた掃除がある。私はほぼ毎日、1時間くらい掃除してるんじゃないかな(笑)。

――「社長だし、稼いでいるから家のことはやんなくていい」みたいな考え方ではないんですね。

後藤 女性が一人で家事も育児も全部やるっていう時代じゃないですからね。これが普通だと思っています。

なぜ、後藤建設は田舎町にワインバーをつくったのか?

――羽後町は、人口1万5千人くらいの農業が主体の町です。正直、この立地によくワインバーをつくろうと思いましたね。

後藤 羽後町は、駅もないですからね。田舎中の田舎なので、商売をするには不利ですね。もともとワインバーを開くきっかけは、築120年の古民家の解体工事の依頼が弊社にあったんです。で、現地調査の時に中を見たら立派な内蔵があったんですね。もったいないなあ、なんとか残せないかなと思って、オーナーさんと話し合い、弊社で土地と建物を買い取り、ワインバーとして活用することになりました。

古民家をリノベーションした『蔵しこ』。ワイン好きの後藤社長がセレクトした約100種が楽しめる。

古民家をリノベーションしたワインバー「蔵しこ」。ワイン好きの後藤社長がセレクトした約100種が楽しめる。

――内蔵のある古民家をワインバーにリノベーションするのは、ひと筋縄ではいかなかったでしょうね。

後藤 もともとの建物をなるべく生かすというコンセプトだったんで、見た目ほど手間はかけていません。それでも、大工さんは四苦八苦していました。難しかったのは、古い材料の組み直しの部分です。通常の施工ではまずやらない作業ですからね。

費用的には4000万円くらいかかりました。そのうち、10分の1くらいは、秋田県に特化したクラウドファンディング『FAN AKITA』を通して集めました。

クラウドファンディングでは目標額150万円に対して倍以上の資金が集まった。

クラウドファンディングでは目標額150万円に対して倍以上の資金が集まった。

――ちなみに、このワインバーの経営は、後藤建設がやっているのですか?それとも別会社の経営ですか?

後藤 枠組みとしては、建物と土地を後藤建設で所有し、運営は子会社がするような形です。子会社は後藤建設に家賃を払うような仕組みですね。店の運営は、予約が入っていない平日は私一人で回して、週末は会社の従業員や近所の方に手伝ってもらっています。

次のページワインバーをやって「建設業は恵まれている」と実感
12»
  • この記事をシェアする273
  • この記事をツイートする15
この記事のコメントを見る0
こちらも合わせてどうぞ!
コン打ち後に「スナックのママ」に変身する若い女性建設技術者(けんせつ小町)の話
コン打ち後に「スナックのママ」に変身する若い女性建設技術者(けんせつ小町)
スナックのママに変身する理由 私は、いわゆる「けんせつ小町」、女性現場監督24歳です。私の会社では、現場が終わったときや、何か大きな工程が終わったとき(特にコン打ちが終わったとき)に、現場員全員で打ち上げをします。ときに...
「大工が現場から逃げた!」残った職人をいかに指導すべきか?
「大工が現場から逃げた!」残った職人をいかに指導すべきか?
大工の取り扱いをめぐる失敗事例 「大工が現場から逃げた!」ーー現場監督であれば、そんな経験は決して珍しくないだろう。 私は「大工は3日経てば逃げない」という自作のことわざを持っているほどだが、その心は「大工が逃げるのは大...
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
※本記事は『建設ITワールド』の許諾を得て掲載しています。 「BIMを活用したいけれど、人材が見つからない」「どう始めたらいいの?」—そんな悩みを解決するのが、ウィルオブ・コンストラクション(本社:東京都新宿区)が提供す...
地域建設企業の存続危機。群馬県建設業協会の青柳会長が唱える「限界工事量」とは?
地域建設企業の存続危機。群馬県建設業協会の青柳会長が唱える「限界工事量」とは?
地域建設企業の経営環境は厳しさを増している 大手ゼネコンの業績が好調にもかかわらず、「地域の守り手」である地域建設企業の経営環境は厳しさを増しています。除雪や震災時などの災害の応急復旧に邁進する地域建設企業ですが、その経...
「ポカリ50円の自販機」と「空調服」 大和ハウス工業の熱中症対策
「ポカリ50円の自販機」と「空調服」 大和ハウス工業の熱中症対策
大和ハウス工業の熱中症対策 10月まで暑さは続く 日本に四季があったのは、もはや昔の話で5月~10月まで暑さは続く。地域によって異なるが、東京の現場では体感気温が40度を超えるときもある。今年は比較的冷夏であったものの、...

この記事を書いた人

『施工の神様』編集部
この著者の他の記事を見る
施工の神様とは、株式会社ウィルオブ・コンストラクションが運営する、「現場目線」の情報を伝える新時代の建設メディアです。

建設業では、しばらくの間、現場の「生の声」が置き去りにされてきました。
長らく3Kと呼ばれてきた建設業は今、国土交通省主導による働き方改革やi-Construction、若手人材の確保育成、資格制度の見直し、地域防災の観点などから、大きな変革期を迎えています。
施工の神様は、施工に関する技術やノウハウ、体験の共有・伝承・蓄積という側面に加え、実際に建設現場で働く建設技術者・技能者の生の声を、建設業界および世間一般に伝えるという役割も積極的に担ってまいります。

個人・企業を問わず、取材してほしい方・執筆協力いただける方・PRしたいことがある方を募集しています。 お問い合わせはこちらへ。
建設会社の社長が、毎夜バーカウンターに立つ理由とは?【秋田県・後藤建設】 建設会社の社長が、毎夜バーカウンターに立つ理由とは?【秋田県・後藤建設】

施工の神様をフォローして
最新情報をチェック!

  • フォローする5388

現場で使える最新情報をお届けします。

  • 施工の神様
  • インタビュー
  • 建設会社の社長が、毎夜バーカウンターに立つ理由とは?【秋田県・後藤建設】

コメント(0)

コメントフォームへ

コメントする コメントをキャンセル


コメントガイドラインをお読みになった上で投稿してください。

email confirm*

post date*

あなたも施工の神様に記事を投稿してみませんか?
おすすめ記事
  • 【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

    【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞

  • 点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

    点数稼ぎに走るのは「なんか違う」

  • 「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

    「暗闇の先の光見て」コロナ禍の”希望のトンネル貫通写真”が心に響く

  • 「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

    「地元の人間の意地。ただ、それだけ」 家族を失ってもなお、愛する石巻の復興に命を懸けた現場監督

  • 建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

    建設業界をイヤになった主任技術者は”造園”へ急げ!

  • 人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

    人と機械はどう補完? これからの橋梁点検

注目のコメント
  • 権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 公務員なんて、甘ったれのわがまま人間の巣窟。特に、バブル世代にパワハラとかするのが多い気がする。

    「○んでくれ」「くせーんだよ」 発注者からの脅迫・暴言集【実録】
  • 34℃で湿度がどれくらいか判断出来ないが今日びの38℃超え猛暑に比べればまだまし。 皆が言う体調管理なんかで対応出来る範囲を超えている。 朝一番から警戒レベルMAXが普...

    最高気温36℃の”猛暑日”。舗装工事は中止すべきか?【熱中症対策】
  • 勝手に喫煙休憩するな→即飛び蹴り シュールなコントみたいだな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 辞めていいんじゃねーか? 下請けの奴隷ならともかく、大手ゼネコンの現場監督ならやりたい奴いくらでもいるだろw

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 若くても無能なら要らない

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • そんな無能はやめた方が現場のためだよ

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 飛び蹴りは普通に罪にならないか?

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 休憩するなら水分取るだけで充分なのにねwタバコまで吸いに行き注意されると即飛び蹴りとはヤニ中毒は危険だな

    「暴力も必要かも」大手ゼネコンの若手現場監督に、飛び蹴りした鳶職人
  • 結局本人の申告によるものでしかないので、無理がありますよ。 すべての作業員さんにカメラつけて録画でもするならば別ですが。 公共工事にしろ民間工事にしろ、昔からすれ...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 熱中症チェックシートは本当に不毛。 挙句の果てに、それを書いていても熱中症が発生したら「管理が甘かったからだ!」といってチェック項目を増やしたり、記入内容の真偽を...

    「チェックシートで熱中症を防ごう!」 それができたら誰も苦労しない
  • 建設業界のパワハラと言うよりは特定の会社の特定の上司のパワハラ。

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 返信した人の日本語もわかりません。 やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 建設業界って 何処に業界のパワハラをかいてるの? やり直し

    元自衛官が建設業界に転職したら、”パワハラの巣窟”でした
  • 所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。 現場は信頼関係で成り立っている。 現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職が...

    65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”のヘルメットバンドをつけろ!? 納得できない話
  • この著者は神様とは思えないです まず、職人は工程を縮めたいんじゃなく無駄が嫌いなんです。それは管理者もだと思いますよ。 無駄=損害ですからね。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • スーパーゼネコンの監督とは仲良くなれないな。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • まったく現場の事を理解していない! もっと色んな事を経験して、勉強して下さい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • 不仲は横柄で生意気ななゼネコンのセコカンが原因だと思いますけどね。 舐められない様な教育受けているので仕方ない所もありますが。 職人さんも見栄えよりも工数へらして...

    「不仲説」 現場監督と職人
  •  不仲なら発注しない、請負わない。 お互い仕事できなくなればいい。

    「不仲説」 現場監督と職人
  • キャリアを考える
  • インタビュー
  • 失敗を生かす
  • 技術を知る
  • エトセトラ
  • 資格を取る
  • 建設
    用語
【PR】施工管理技士の転職に特化した求人サイト
施工の神様ロゴ
  • 施工の神様とは?
  • 原稿募集
  • 取材ライター募集
  • 運営会社
  • PR・プレスリリース
  • プライバシーポリシー
  • 広告掲載について
  • お問い合わせ
Copyright © 2025 WILLOF CONSTRUCTION, Inc. All Rights Reserved  リンクフリー
施工の神様