倒壊の責任を負いたくなければ、プロに頼め
築古住宅のリフォームは、出来る範囲で「安く仕上げる」ことが重要です。さらに、こうした物件で大家業をされている方の多くは、いわゆる「通帳大家」では無く、簡単なリフォームくらいならご自分でできる方ばかりです。私より、はるかに器用な方もお見かけします。
それでも、私たちプロが手掛けているのは、「見た目だけきれいにする」素人のリフォームではなく、「構造から直す」という、そこに住む方たちが安全に生活するための必須工事です。
「再販なら丁寧に直しておかないと責任問題になるだろうけど、賃貸ならそこまでシビアに考えなくても…」との解釈もあるかと思います。斜めに傾いて建っている家でも、住むこと自体は問題ないかもしれません。
しかし、地震で倒れやすい家に入居させ、万が一倒壊した場合、誰が責任を取るのか考えてみてください。DIYによるリフォームではフォローできない範囲があるのではないでしょうか?
沈下修正工事を安く仕上げるためには?
それでも、「高い修繕費用は掛けられない」という大家さんもいらっしゃると思います。そこで、少しでも安く沈下修正工事を依頼するにはどうしたらいいのか。いくつかのポイントを解説していきます。
1.あらかじめ、床を撤去しておく
床下で這いながらの作業は効率が悪くたいへんです。リフォームで床の張り替えまで検討しているならば、あらかじめ床を撤去しておくことをおすすめします。

床タイルがそのままの物件。作業スペースが取れず非効率
2.家の周りの植木鉢や残置物を、できる限り撤去しておく
不要な残置物をそのままにしておくと、スムーズに作業に入ることができません。
3.基礎の立ちあがりが40cm前後あること
基礎の立ちあがりが一般的な仕様で40cm前後であれば、ジャッキをセットする手間も簡易に可能となります。
4.施工期間に余裕をもつ
特に、大量の資材を使う曳家工事の合間ですと、私たちとしては工具のやりくりが容易になります。
・・・上記の条件がそろえば、1階が20坪、2階が16坪程度の在来木軸構法、築20年~30年の住宅なら、最大沈下部分が15cm程度であれば、80万円~150万円で施工可能です(出張費別途)。
築古住宅のリフォームを考えている大家さんは、くれぐれも悪徳リフォーム業者にお気をつけください。