「転勤したくない」土木系学生は地元志向も強い
――ゼネコン系は?
久場 ここ数年は景気が良いので、土木系の就職は「売り手市場」になっています。ゼネコンを含む多くの民間企業から「ぜひ九大生が欲しい」というお話をいただいています。実際、毎年1〜2名の学生がゼネコンに就職しています。毎年、大手ゼネコンから就職が決まっていく感じで、中堅ゼネコンまでですね。
――インフラ系で言うと、やはりJRですか?
久場 そうですね。地元ということもあって、学生にはJR九州が人気がありますね。JR関係は、土木系に限らず、九大生全体でも人気のある企業なので。
――地元志向が強い?
久場 もともと九州出身の学生が多いので、その傾向はありますね。自分の研究室の学生を見ていると、昔は「全国どこででも働く」という学生が多かったイメージがありましたが、最近の学生は「地元志向」が強い印象ですね。やはり、「転勤したくない」という学生は例年一定数います。
売り手市場だから「どこでも入れる」は勘違い
――最近の「学生気質」をどう見ていますか?
久場 私が就職担当になってまだ1年ですが、昔に比べて「ガツガツしていない」イメージがありますね。のんびりしているというか、「上昇志向に欠ける」というか。やはり「売り手市場」なので、「どこにでも入れる」という安易な考えをもっているイメージを持っています。
ただ、フタを開けてみると、ほぼ全員就職できましたので、はた目にはのんびり見えるけれども、実際は企業研究などをしっかりやっていたのかもしれません。昔に比べれば、授業数が減っているので、学生のチカラが落ちているのは確かです。会社にとって即戦力揃いとは言えませんが、OJTなどを通じて、実際の仕事をこなすための基本的なチカラを身につける程度には、教育し、送り出している自負はあります。
――ゼネコンなどの民間企業がかなり積極的に採用活動を展開していると聞きますが。
久場 「九大生が欲しい」という声は大きいですね。とくにゼネコンさんは。九州大学としては、民間企業からの具体的な求人内容を受け付けるのは、毎年3月1日以降と決まっていますが、3月1日より以前の段階で、求人票を携え私のところに訪れて、アピールするゼネコンの担当者の方はいらっしゃいます。
権力を振りかざす世間知らずの勘違い野郎どもは本当に消えていただきたいです。