3月1日の就活解禁で混乱する学生
――学生にはどのようなアドバイスを?
久場 私のところに来る学生は、「大学推薦が欲しい」とかそういう相談で来るケースが多いので、そういう学生にアドバイスすることはあります。
まず、「志望は公務員なのか、民間企業なのか」を訊きます。公務員志望であれば、少しでも上の機関を目指すよう勧めます。民間志望でも同じようなことをアドバイスしています。とくにテクニックがあるわけではありません。院生の場合、研究室の先生がいるので、それぞれの先生が具体的なアドバイスなどをされているはずです。
ただ、問題は3年生です。3年生は、非常に中途半端な立場で3月1日の就職活動の解禁を迎えるからです。就職活動への準備が不十分なまま、戸惑ったり、混乱する学生も少なくないと思います。大学には、就職相談窓口がいくつかあるので、そういう窓口を利用する学生はいます。
3年生にはクラス担任の教員2名がついていますが、80名全員の面倒は見きれません。九州大学には「履修指導アドバイザー」という制度があって、1人の教員が8名程度の学生に対し、定期的に履修関係のアドバイスを行なっています。私もその一員で、私の場合、「進学するのか、就職するのか」などに関する相談にも乗っています。
3年生を対象に、昨年から研究室への暫定配属を行なっています。3年生の12月ぐらいから、お試し期間として研究室に在籍するものです。研究室の先生は、研究室の紹介のほか、就職に関する相談などに応じています。あくまでお試しなので、4年生になって違う研究室に在籍するケースもあります。
一部のゼネコンだけに学生が偏る危険性
――インターンシップは、学生と企業などがお互いを知る貴重な機会になっているようですね。
久場 インターンを受け入れた企業が学生を観察しているということは、実態としてはあるでしょうね。表向きは「インターンと採用とは関係がない」ことになっていますが(笑)。とくに冬のインターンでは、企業も学生もお互いを見極める大事な場になっているようです。
夏のインターンは逆で、志望していない就職先の仕事を体験する場としてとらえています。少なくとも、私はそのように指導しています。ゼネコン志望の学生の場合、公務員やコンサルのインターンに行くとか。「両方見といたほうがいいよ」ということでね。
――企業サイドもインターンには力を入れているようですね。
久場 企業サイドとしては、学生との「マッチング」ということを非常に気にされていますね。ムリに学生を入社させても、数年で辞めてしまったら、意味がない。そういう「ミスマッチ」が起こらないよう、企業サイドではかなり慎重に採用活動されているようです。ミスマッチは、お互いに不幸なことですからね。
――企業サイドに対する要望などは?
久場 企業サイドへの要望ではありませんが、特定のゼネコン1社に多くの学生が就職し、偏っているところがあります。そうではなく、複数のゼネコンにバランス良く、就職するほうが良いと思っています。大学にとっても、企業にとっても、将来の会社の持続性を考えると、あまり出身大学が偏るのは「いかがなものか」という気がしています。
就職先は最終的には学生が決めることではありますが、Aというゼネコンには毎年2〜3名就職するが、Bゼネコンにはここ10年間で一人も就職していないという状況は、大学としては好ましいものではないと考えています。
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