鋼管と足場板でバックホウの進路を作る
急傾斜地でのバックホウの操作は、一瞬たりとも気が抜けない。操作を誤れば即転落し、死亡事故に繋がりかねない。
バックホウの走行中に路肩が崩れ、進路がなくなることも少なくない。
そんなときは、鋼管を進行方向に打ち込み、そこに足場板を添わせて土留めをすることで、無理やり機械の進路を作る。
口で言ってしまえば簡単だが、実際にその光景を見ると、恐怖のあまり言葉を失ってしまうだろう。
安全対策に厳しい元請会社は「すぐに止めてくれ!」と言うかもしれない。
安全第一なら、この方法は推奨されるものではない。しかし、急傾斜地崩壊対策工事の現場ではこうでもしないとすぐに工事が止まってしまう。
鋼管と足場板を使って進路を作ることは、急傾斜工事のオペは当たり前に行っている。
とはいっても、しょせんは土留めでつくった進路。1oo%安全とは言えず、危険なことには変わりない。
土留め後のソイル施工でトラフィカビリティを高める
上で説明した鋼管と足場板で土留めした進路に、「ソイル」と呼ばれる施工(セメントが混ざった材料を撹拌して締め固めること)を行い、一日待ってトラフィカビリティを高める方法も時として使われる。
これは、盛土材料を固めることが目的で、進路が非常に崩れやすく危険な場合に用いられる。
ソイルは非常に優秀で、法面が崩壊してしまい、断面がないところに使われることも多い。しかも、えぐれた場所でもきれいに補修することが出来る。
私の知る優秀なオペは、ソイル工法でほとんどの現場を叩いている。
ただ、ソイル工法は費用が割高なので元請や市役所が良い顔をしないし、費用を安く済ませたい工事には不向きかもしれない(機械が止まって工程が遅れる事を考えれば、安いと思うのだが)。
わかる気がする。?