発注者・施工者・生コン生産者が、立場を度外視して良いモノを造る
2017年に熊本県で立ち上がった「県南コンクリート構造物品質確保推進協議会」では、QC(クオリティー・コントロール/品質改善)活動を合言葉に、高品質なコンクリート構造物の築造を推進している。
QC活動とは、「発注者」「工事施工者」「生コン生産者」の3者が有機的に連携し、「施工計画(PLAN)→実施工(DO)→評価(CHECK)→改善(ACTION)」というPDCAサイクルがしっかりと機能するシステムの確立を目指す取り組み。
このQC活動において、「生コン生産者」側の一人として大きな役割を担っているのが、八代地区生コンクリート協同組合理事長の髙野晋介だ。

八代地区生コンクリート協同組合の理事長を務める、(株)髙野組の髙野晋介専務
髙野は生コンクリート事業部と土木部を持つ株式会社髙野組(熊本県八代市)の専務も務める。生コン生産者、工事施工者という双方の視点を持つ髙野は、QC活動を支える貴重な人物として存在感を示してきた。
「生コン生産者からすれば、工事施工者はいわば”お客さん”。一つのコンクリート構造物を造る時、これまで『発注者』『工事施工者』『生コン生産者』の3者で品質について語り合う機会は一度もありませんでした。
コンクリート構造物は子や孫もいずれ生活インフラとして使うし、同じお金を使うわけでしょ。それなのに、悪いものを造ったら話になりません。
QC活動によって、発注者と工事施工者、生コン生産者の3者が、それぞれの立場を度外視して良いモノを造ろうという方向に進んでいくことは喜ばしいことです。
これこそ、良質なコンクリート構造物を造るためのあるべき姿でしょう」と語気を強める。