土木を選んだのは「建築学科に入れなかったから」
――土木のきっかけは?
ナナエさん 京都大学に入ってからです。入学前は建築学科が第一志望で、地球工学科(土木系)はスベリ止めでした。入試の結果、地球工学科に入り、学び始めた感じです。
――建築を学びたいと思ったのはなぜ?
ナナエさん 絵を書くことや物理の勉強が好きだったのと、「劇的ビフォーアフター」というTV番組を観て、なんとなく建築に対して良いイメージがあったからです。
――やむを得ず土木を学ぶことになった?
ナナエさん はい(笑)。実際に学ぶまでは、土木について考えたことはなく、関心自体がありませんでした。
「地球工学科にやりたいことがあるのか」悩んでいましたが、2回生ぐらいのころに、景観設計学の山口先生から話を聞く機会がありました。それで景観設計学に興味を持ちました。
――今は何を研究しているのですか。
ナナエさん 今は、京都大学のM1で、景観設計工学を学んでいます。学び始めてまだ半年ぐらいですけど。
――景観設計学を選んだ理由は?
ナナエさん ワークショップとか実践的なことができるからです。地球工学科の研究としては、異色なところがあります。学問領域が広いのも魅力ですね。
――女子は少なかった?
ナナエさん 私のクラスは50名中女子は4名で、地球工学科全体で10名弱でした。
――土木を学ぶことについて周りの反応は?
ナナエさん 高校の友だちとかと話すと、土木の仕事の具体的なイメージがない子が多いなと感じます。建築とゴッチャになっている子もいましたね。
クジ引きで研究室に入れず、院でリベンジ
――学部のころの研究室は?
ナナエさん 河川防災の研究室でした。景観設計学の研究室に入りたかったのですが、景観設計学は結構人気のある研究室だったので、学生をクジ引きで選ぶことになりました。私は外れてしまったんです(笑)。それで「防災なら役に立つかな」と思い、河川防災を選びました。
「修士に行ったら、絶対景観設計学を学ぼう」と思っていました(笑)。学びたいことを学べないまま、卒業するのはイヤでした。院試は成績順なので、景観設計学の研究室に入れました。「やっと学べる」と思って、嬉しかったですね。
――コース選びに関しては結構不運な感じですね。
ナナエさん はい(笑)。学部のころは、必要なこととして淡々と勉強してた感じですね。今は河川防災の研究室に入ったことで視野が広がったり、建築ではなく景観設計学を学べて良かったなと思っています。
――まだ半年ほどですが、景観設計学の研究室に入ってどうですか?
ナナエさん 研究に関しては、少しずつ勉強を進めているところですが、研究以外の自主企画プロジェクトに取り組みました。京都駅東南部に東九条というエリアがあります。京都駅に近いのですが、歴史的に開発があまり進んでいないエリアで、ちょうどエリアの真ん中に川が流れていて、川沿いに空き地が点在しているような場所です。この空き地を活用して、どう活性化させていくかを考えて、地元の方々に発表して意見交換をしました。
自主企画では、ただそのエリアだけを見るのではなく、その場所の歴史やそこに住む人の生活だったり、広域的に見たその場所の立地などを考えながら、自分のアイデアをまとめていきます。その一連のプロセスが面白いと感じているところです。