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「絶対に緩まないボルト」に「ボルト落下防止キャップ」 大ヒット商品を発明し続ける首都高技術の”メンテナンスの鬼”

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公開日:2020.01.22 / 最終更新日:2022.08.16
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自分でつくった商品を首都高の設計基準に入れる

――発明家みたいですね。

永田 自分では発明とは思いません。「これあったらいいな」というひらめきだけです。現場に行くと、アイデアの種がいっぱい落ちています。

――困って探す人はいますが、自分でつくる人は少ないと思います。

永田 そうでしょうね。私の場合、自分でつくったモノを設計基準に入れちゃいましたからね(笑)。コンクリート床版の寿命を延ばす樹脂は、首都高道路の基準に入っています。その後、他の高速道路会社などでも基準になりました。よほど気に入ったんでしょうね。

樹脂は、樹脂メーカーと舗装会社に「こういう樹脂をつくりませんか」とお願いしてつくりました。開発中は、何度も配合を変えたり、実験を繰り返しトライアンドエラーを繰り返しました。

省工程塗料の開発の際には、最初、気温20℃ぐらいの設定で試作品をつくってもらったのですが、冬場の施工を考えて、冷蔵庫に入れてみると、凍って使い物になりませんでした。そこで配合を変えてもらって、冬場でも大丈夫だと職人の方に確認した上で、商品化しました。

――特許はどうなっているのですか?

永田 首都高速道路名義で特許をとっています。

永田さんがつくった床版の寿命を伸ばす樹脂

点検は補修のためにやるもの

――首都高技術に出向したのはいつですか?

永田 去年の7月です。その前の3年間は首都高速道路でインフラドクターを担当していました。インフラドクター部は去年の7月にできたセクションで、私が初代のインフラドクター部長になります。

首都高速道路では点検と補修を両方行いますが、首都高技術は点検のみです。そこに業務内容の違いがあります。私は首都高技術の社員に対して、「点検は補修のためにやるものだ。その意識を持ってほしい」と言っています。

――インフラドクター部長としてのミッションは?

永田 首都高が持ついろいろな点検技術をPRし、営業するほか、新たな技術開発も行っていくことだと理解しています。Infra Doctorをはじめ、すでに業務のプラットフォームはできあがっています。若い社員が多いので、既存の技術、ノウハウを蓄積して、多くの人が活用できるモノに仕上げていきたいという思いはあります。

――自分の土木技術者としての人生を振り返って、どう評価していますか?

永田 これはこれで良いんじゃないかなと思っています(笑)。自分が好きなことをやらしてもらったので、満足しています。

緩まないナットにしても、会社から「これをやれ」と言われてつくったものではありません。子供の頃に夢見ていた研究者の仕事をやっているという感じもあるんですよね。この会社に入って良かったと思っています。

鉄道のインフラなら鉄道会社の人々とチームをつくれば良し、空港なら空港のチームをつくれば良い。いろいろな人々と交流しながら、良いものをつくっていきたいと考えています。

――メンテナンスの仕事のやりがいは?

永田 他の会社から「この技術は良い」と認めてもらい、使ってもらったときに、スゴく達成感を覚えます。私にとっては、大きな橋をつくるのと比べても、大差はありません。

――今後やりたい仕事は?

永田 先ほども言いましたが、「世界中のインフラを守りたい」それだけです。困っている人がいたら、一緒に技術を開発したり、技術をシェアしていきたいと思っています。

それで助かる人がいて、インフラの寿命が延びれば、それで十分です。それは国内外を問いません。いろいろな国のインフラを守っていきたいですね。

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コメント(5)

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  • - 2020/01/22 18:33

    純粋な方だ。尊敬する。

    返信する 通報する
  • - 2020/01/23 10:52

    インフラを守る、そのための技術向上は、開発にて対応する『ない技術はつくる』考え方に共感します。

    返信する 通報する
  • - 2020/01/25 10:33

    今の日本のインハウスエンジニアに一番求められる資質をお持ちの方だと思います。

    返信する 通報する
  • - 2020/01/27 12:26

    明るい未来を考えられる、すばらしい記事でした。

    返信する 通報する
  • - 2020/02/07 23:54

    この方の「考え」「思考」をもっと知りたいと思いました。
    いつかお会いしてお話ししてみたいですね

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