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「ドボジョ」というくくりはもう古い? 名古屋市の女性技術者が語る公務員の魅力とは?

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公開日:2020.02.18 / 最終更新日:2022.08.16
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「言われたモノをつくる」のではなく、「なにをつくるか決められる」

大石(施工の神様ライター)

名古屋市役所を選んだ理由は?

尾崎さん

進路については、大学を卒業する時点と大学院を修了する時点の2度考える機会がありました。

大学卒業するときは、「大学院に行くのが当たり前」みたいな雰囲気があったので、そのまま大学院に進みました。大学院に進んでからは、進路について「大きなモノをつくるのがカッコ良い」という夢みたいなモノと、「人に寄り添った仕事がしたいな」という思いの間で、揺れていました。とりあえずゼネコンを受けてみましたが、総合職は女性の採用が難しい状況でした。そこで「大きいモノをつくる夢」は捨て、「人に寄り添った仕事」を目指すことにしました。それが公務員だったわけです。

公務員は「言われたモノをつくる」のではなく、「なにをつくるか決められる」ので、面白いかなと思いました。それで、自分が生まれ育ったまちである名古屋市役所を受けました。

鈴村さん

就職に際して重視したのは、「土木の仕事であること」と「一生働ける仕事であること」の2つでした。「一生働ける仕事」としては、公務員がピッタリでした。私が就職したころは、ゼネコンやコンサルにも女性が就職していましたが、「女性の働きやすさ」に関しては、「公務員に勝るものはないだろう」ということで、公務員を選びました。もともとは「大きいモノをつくりたい」ということで土木を志したわけですが、自分の人生を考えると、やはり公務員という結論に至ったわけです。

私の出身は岐阜市ですが、名古屋の大学に6年間通っていたので、名古屋のまちに愛着が芽生えていました。名古屋市は政令市なので、いろいろな仕事ができて、やりがいにつながるんじゃないかと考えました。それで名古屋市役所を選びました。愛知県庁だと転勤があるので、私のライフプランと違うので、選択肢から外れました。

大石(施工の神様ライター)

転勤はイヤですか?

鈴村さん

イヤです(笑)。「単身赴任」とかはなかったですね。

大石(施工の神様ライター)

尾崎さんは転勤は?

尾崎さん

就職当時はあまり考えなかったですが。今となってみれば、転勤のない職を選んで良かったなと思います。夫や子供がいる状況で、仕事のために生活を変えるのは、望ましくないから。私にとっては「生活第一」で、生活の糧を得るために仕事をしているので(笑)。

天野さん

私の地元は安城市なので、地元の役所を受けたかったのですが、高卒の募集がなかったんです。それで名古屋市と国などを受けました。国は転勤があるので、市民と接する機会のある名古屋市が良いかなと思って、名古屋市役所を選びました。

最初の仕事は「恥ずかしくて、直視できない」

大石(施工の神様ライター)

これまでのお仕事を振り返っていただけますか?

尾崎さん

最初の配属先は道路建設課で、都市計画道路をつくる仕事をしていました。道のなかったところに道をつくるのには、住民の反対などたくさんの困難がありました。そういう困難にどう当たるかは、職場のチームごとに考えながらやっていくわけですが、初めての職場でそれをやったことが一番印象に残っています。

例えば、環境に配慮した工事をおこなうため、山のホタルの数を数える必要があったのですが、ホタルの数を数えるためには、どういう方法が一番効率的なのかを考え、山の中を歩き回ったことがあります。そういうことを夢中でやっていましたね。反対派の方々に囲まれて、説教されたこともありましたが、反対意見も聞きながら、どうやったら事業を動かせるかを考えていくのが、スゴく面白かったです。

その後は、名古屋高速道路公社に出向して現場監督をやったりしました。道路畑が長かったです。20年のうち、半分が出先の現場仕事でしたね。

鈴村さん

現在の職場が2つ目の職場ですが、私も今、ホタルを数えています(笑)。私も一番印象に残っているのは最初の職場である東土木事務所です。そこでの最初の仕事が交差点改良工事でした。

その交差点にはちょっとした緑のスペースの街園があって、上司から「街園は好きなように設計して良いよ」と言われたんです。どういう基準があるかよく知らないままに、「こうやったらカワイイんじゃないか」という感じで、上司や地元の人と相談しながら、つくっていったんです。この交差点を今でも通ることがあるのですが、恥ずかしくて、直視できないんです(笑)。

鈴村さんが設計した街園

大石(施工の神様ライター)

恥ずかしい?

鈴村さん

今ならもうちょっとうまくできるのにと思ってしまうからです。もともと街園部分は黒い石を組んだ部分があったので、石を活用しながら作り直したんですが、石を違う形に組み直すのは難しいということを、作業を始めてから知ったんです(笑)。

なかなかうまく組めなくて、最終的に間をモルタルで埋めたんです。モルタルは乾くと真っ白になるので、せっかく再利用したのに、白と黒のツギハギだらけになってしまいました。それを見るのが恥ずかしいんです(笑)。

天野さん

最初に配属されたときは、先輩についていろいろな現場を回ったり、CADの書き方を教わったり、設計書をつくったりしました。高校で習ったCADの書き方と名古屋市役所のCADの書き方が違っていたからです。

半年ほど経って、設計書づくりを任されるようになり、国道に接続する幹線道路の舗装工事の設計書を書いて、発注しました。切削オーバーレイでめくるだけの工事でしたが、発注してからも、業者さんに助けてもらいながら、完成させました。老朽管の対策工事、橋梁工事、側溝工事などいろいろな工事があるのですが、先輩に聞きながら、やっています。

現場をチェックする天野さん

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この記事を書いた人

四国の犬
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基本的には従順ですが、たまに噛みつきます。
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