材料の引張応力と膨張率
ではなぜ、鉄だと問題ないかと言いますと、熱膨張率がコンクリートとほぼ同じなんです。
だからラス網も相性が良いことがよく分かります。
材料の引張応力と膨張率一覧
品名 | 単位 | 引張強さ | 品名 | 単位 | 熱膨張係数 | 備考 |
ポリエチレン | kgf・㎜2 | 0.42~1.61 | ポリエチレン | ×10-6/K | 180 | 高密度PE |
鉄 | kgf・㎜2 | 35~50 | 鉄 | ×10-6/K | 11.7 | |
PCスペーサー | kgf・㎜2 | 284~304 | PCスペーサー | ×10-6/K | 11.7 | 引張強さはJIS G3522参照 |
コンクリート | kgf・㎜2 | 発生強度1/10 | コンクリート | ×10-6/K | 11.7 | 膨張率は鉄とほぼ同等 |
表にするとこんな感じです。
モルタルの中でポリエチレンスペーサーが熱膨張しているのがよく分かります。
モルタルが引張強さに弱いことはよく知られた周知の事実です。ポリエチレン製スペーサーがモルタル内部で膨張した際に、内部から押されるため簡単にパカッと割れるのがクラックです。
躯体などの重要構造物でポリエチレン製のスペーサーを使用しているところはまずありません。特に、熱の影響を受けるような場所では。数値的に見るとよく分かります。