マイナス60.3の衝撃
建コン業界のeNPSスコアは、-60.3でした。「え、マイナス!?やばっ」とお思いでしょうが、全業界平均は-61.1なので、平均よりは高いんです。ただ、建設業全体の-55よりは下回っており、低いと判断せざるを得ない結果となっています。
さらに、特にeNPSスコアに相関が高い項目を見ると、1位「職務(今の職務に対して満足を感じているか)」、2位「組織風土(企業の組織風土が従業員にとって良い状態と感じているか)」、3位「理念戦略(企業の理念・戦略・事業内容に対して納得・共感しているか)」であることが分かりました。
残業を含む「健康」が上位だろうと思っていましたが、相関は高くない結果でした。ただし、eNPSスコアに関わらず満足度ワースト1位とどの指標よりも低い結果であり、解決すべき課題であることに間違いはありませんでした。
ちなみに、推奨者(採点9~10)の採点理由をテキストマイニングしてみると、出現頻度の高い特徴的なキーワードには、「やりがい」とか「社風」、「社会貢献」、「技術力」などが挙がっており、ポジティブな評価がされていることが分かりました。
「幸せ」にフォーカスせよ!
調査結果を総括してみると、
- 建コン業界のeNPSスコアは-60.3であり、全業界平均-61.1よりは高いものの、建設業全体-55の中では低い。
- eNPSスコアと相関が高い指標は、「職務」、「組織風土」、「理念戦略」であった。
- 残業を含む「健康」は、相関は見られないものの、満足度がワースト1位であった。
さらに、「職務」、「組織風土」、「理念戦略」における幸せ度が高い状態とはどんなものか、アンケート自由回答から紐解いてみると、
- 職務:仕事のやりがいや自由裁量の実感など、「個人」単位で幸せな働き方ができている状態
- 組織風土:チームで協力してワークすることや感謝・承認があること、チャレンジングの文化の定着など、「チーム」単位で心理的安全性が確保されている状態
- 理念戦略:ミッションやビジョンに共感でき、会社(経営陣)に対する信頼がある状態
のような状態だと言えます。
そして、若手の会では、『建コン業界全体のエンゲージメントを高めるためには、幸せ(=ウェルビーイング)な働き方を実現することを目指し、「個人でやること」、「チームでやること」、「会社でやること」をそれぞれの単位で実践していく』ことが必要だと結論づけました。
一定レベルまで給与が上がらないと幸福以前の問題な気がする。やりがい搾取なんて言葉も流行ったけど。
やりがいや働きやすさと給与の底上げは両輪でやっていかないとダメだよね。建設業は日給制や日給月給制に代表されるように、特に給与と幸福(働きやすさ、労働時間等)がトレードオフになってる。どっちか手に入れるためにはどっちかを失わなきゃいけないなんて状況はおかしい。まずは最低でも完全週休二日制&完全月給制にしないと。
仰る通りですね!
年収レベルで750万円を境に、金銭的報酬とモチベーションの相関が低くなっていくという研究もありますね。
また、金銭的報酬は短期的な効果しかなく、長期的に見ると逆に悪影響(増えないと不満になる)を及ぼすという話もよく聞きます。
コンサルが建設業全体より低いのは意外だけど、それより公務員とかに次いで建設業の数値が高いのは驚き。大体並んで扱われる運送業はめちゃくちゃ低いのに。
ですよね。建設業界のエンゲージメントって、全業界の中では決して低くないんですよ。
外と比較しないと、実態なんてわからないということですよね。
単に卑下しているだけの可能性も大いにあると。
>一人ひとりの幸せな働き方の実現であって、生産性向上はその結果
その通りだと思います。
身体的・精神的・社会的に幸福である状態があるから、仕事に専念できるのでしょうし。
そういう健康面までケアしてくれるマネージャーだと、働きがいがあるのかなと思いました。
自分の幸せな働き方とは何かをどこまで明確化できるか、そして働くチームメンバーと共有できるか、とても大事なことだと感じております。
これこそが、Googleの研究でも出てくる「心理的安全性」だと思っています。
そういう理解あるマネジャーが増えることで、幸せの総和が増すんでしょうね~!!