事務屋さんもが携わる「インフラパトロール」って何?
首都高技術株式会社(東京都港区)は、「InfraPatrol(インフラパトロール)」という道路巡回点検システムがある。
ざっくり言うと、フルハイビジョンのカメラを搭載した車両を走行させることで、走行映像を撮り溜めるとともに、その映像を用いて路面上にあるジョイントなどの損傷箇所を検出するシステムだ。
当初は首都高速道路の点検に用いられていたが、最近では、他の道路管理者でも導入が始まっている。インフラパトロールのプロジェクトに携わるメンバーの一人が、青木麻実子さんだ。
彼女は、銀行や不動産鑑定会社などの金融業界のバックオフィスでキャリアを積んだ「事務屋さん」。首都高技術には事務職として入社し、総務セクションで業務していたが、2019年7月、インフラパトロール担当に抜擢された。
インフラパトロールとはどのようなサービスなのか。青木さんは日々どのような思いで仕事に臨んでいるのか。話を聞いてきた。
他業界からの転職で驚いたのは”プロセスの重要性”
――首都高技術株式会社には中途入社だそうですが。
青木さん 首都高技術には、総務部の事務社員として2013年に入社しました。2019年7月から今の部署に来ています。入社前は、銀行や不動産鑑定などの会社で、主にバックオフィスの仕事に従事していました。
――なぜ首都高技術に転職を?
青木さん 組織の人材などソフト面を扱うミクロ組織論に興味があり、実際に従事してみたいということで、総務関係の求人を募集していた首都高技術に転職しました。
――他の業界から建設業界に来て、どうですか?
青木さん 入社当初は戸惑いました(笑)。顧客に対し高度なサービスを提供するという点については共通していますが、その目標に到達するプロセス・意思決定が異なるからです。
私がいた金融業界ではプロセスより効率と結果を重視する傾向がありましたが、当社においては周到な準備と検証というようなプロセスも大切にします。
社会インフラの技術サービスを提供していますので、物事を決定する際、その判断により影響を受ける範囲が大きいため慎重かつ丁寧さが求められるのだと思います。