車両を走らせるだけで、照明、電波が計測できる
首都高技術株式会社(東京都港区)は、2017年1月から車両で走行するだけで道路照明照度やETC電波の電界強度など各種測定が可能となる「WaveDoctor(ウェーブドクター)」を導入した。
ウェーブドクターとは、どのようなシステムなのか。このシステムにより、測定業務はどのように改善、効率化されるのか。首都高技術の担当者に話を聞いてきた。
交通規制をしなくても道路照明などの点検が可能に
――WaveDoctor(ウェーブドクター)とはなんですか?
石塚さん 首都高速道路グループが目指す「お客様の視点に立ち安全・安心で快適な道路サービスを提供」の実現のため、「道路照明の明るさ」「提供情報やETC設備の電波状態」「トンネル内の温湿度」の機能水準を、一定のサービスレベルで管理することを目的に開発した車両です。
ウェーブドクターという名称は、「光の波、電波の波を診断する」ということからきています。
――従来の点検はどんな感じでしたか?
石塚さん これまで道路照明の照度測定は夜間に交通規制を行い、点検員が徒歩で測定を行っていました。測定は長時間かかり危険を伴う作業でした。
また、ETC設備の電波測定は料金所のレーンを閉鎖して測定する必要があり、首都高を利用するお客様にご迷惑をかけていました。
ウェーブドクターの導入により、交通流に影響を与える交通規制を行うことなく、短時間で定量的なデータを測定することができるようになりました。
――点検業務はどれぐらい効率化されるのでしょうか?
石塚さん ウェーブドクターを使用することで、今まで個別に行っていた9種類の測定を1度の走行で行うことができるようになりました。その際、設備の運用停止や交通規制なども必要ないため、効率的に維持管理が行えるようになりました。
<測定設備>
- 道路照明
- 管理用無線
- VICS
- ETC2.0
- 料金所ETC
- ETCお知らせアンテナ
- FFETC
- ラジオ再放送(AM・FM)
- トンネル気温、湿度、路面温度
また、測定と同時に測定箇所の位置情報を記録し関連付けるシステムを自社開発したことで、測定データの解析を迅速に行えるようにしました。