豊島区と連携で街づくりも
――空き家問題は、民間と行政の連携が重要になる。
大河 ええ。ただ、民間と連携している自治体は多い反面、すべての自治体が空き家問題に必ずしも前向きではないんです。ですが、たとえ空き家セミナーを開くにしても、渋谷区主催と弊社主催ではまったく意味合いが異なるため、行政との連携は極めて重要です。
たとえば、豊島区は空き家問題に積極的に取り組まれています。そこで、豊島区の「チャレンジ創業支援施設開設事業」に応募し、飲食創業を目指す方向けのシェアキッチンとして空き家活用をプランニングしたところ、採択していただきました。
自治体が街づくり、空き家再生に対して積極的に民間企業を支援すれば、問題解決に向けて大きく動いていくことになりますし、空き家に人が入れば税金も入りますから、WIN-WINの関係になるんです。
――経営者も富裕層が高齢化し、遺産相続や事業承継の問題が顕在化している。
大河 空き家が生まれるキッカケは相続です。相続人が1人でしたら良いのですが、兄弟がいると放置されてしまう空き家も多いんです。たとえば、兄が家を売りたくても、妹が思い出の家だから売らないで欲しいとなると、結果、放置しようということになってしまうこともある。
また、空き家は860万戸ありますが、相談したいという人が少ない。住んでいなくても、荷物を置いているから空き家でないという認識を抱く人も多いですしね。
ですから、相続や事業承継では財産区分を明確にすることと、空き家をどう定義するかが問題です。将来どうするかを決めておけば、空き家になっても再生できます。
――今後の展開は?
印南 空き家再生は、起業家支援との相性が良いんです。一般的に、スタートアップ企業がビルに入居すると、10か月の前払いを要求されますが、空き家を再生した施設であればイニシャルコストが抑えられます。
現在、1都3県を商圏としていますが、創業支援として地方の空き家再生も行っていきたいと思います。
大河 誰もやったことがない「アキサポ」のビジネスモデルを展開し、民間企業が空き家問題を手掛けても利益を確保できるようになれば、次々と空き家再生は進展します。不動産事業の新しいイノベーション事業として進めていきたいと思います。
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