加速度的に進む橋梁の劣化
それにしても、どうしてこれほどまでに設計と現地の状況に差があったのでしょう? 気になった私は、監督員にお願いして設計コンサルが作った設計資料を借りて調べることにしました。
すると意外な事実が判明しました。コンサルによる調査日はなんと工事の4年前、その時点で橋梁の塩害や疲労などの劣化が進展期に突入していたのです。コンクリートの劣化が外観に現れてくると内部への劣化因子の侵入が増え、劣化が加速度的に進展します。そのため、すぐにでも補修をしなければならない状況だったことがわかったのです。
どうして点検から4年もの間、補修工事が発注されなかったのでしょう。たまたま今回の橋梁は大きな事故が起きる前に補修することができたので良かったものの、日本全国には老朽化した橋梁が多くあり、その大半が補修のしようがないまま今日も供用されています。土木に携わるものとして背筋が凍るような思いです。
多くの役所のの技術系職員は予算と計画の中で順番に対応しているだけで、定期的な構造物の点検を行うこともせず、また点検するだけの技術力を持っていないのが現実です。
過去の経験から考察するに役人根性丸出しの方も多く見受けられます。また、都合が悪いと資料すら見せてくれない方もいます。
熱意をもって一生懸命取り組んでおられる方もいるので非常に残念です。
自分も鋼構造物(橋梁)の現場代理人の仕事をしています。
コンサルの資料はあくまで参考程度でしか見てません。
私も経験ありますが、ひび割れ・断面修復の数量は倍になったり、既設橋面舗装のAs厚が15mmしかなかったり、地覆コンクリートには鉄筋すら入ってなかったり。
厳密な調査点検するとなると、時間もかなり掛かりそうです。
それなら不落にならないように工事受けに来て