個人レベルの差が今まで以上に評価される時代
では、建設業界はどのように変わるべきか。先に述べた改革の第一歩から、さらに二歩三歩と進むにはi-Construction(特にICT活用)に準じた取り組みが必要になるだろう。しかし、企業には変化を嫌う人間が多数存在する。i-Constructionに準じた取り組みは、ハイリスクな投資か、単なる手間と考えるのだろう。導入してもすぐに頓挫してしまうようであれば、確かにその通りだ。
しかし、近年の技術革新には目を見張るものが数多くある。各企業それぞれにマッチングする技術も必ず見つかるはずだ。勇気ある企業が率先してチャレンジした結果、当初は無かった実用例も集まりつつある。まだ取り組んでいない企業は、先行企業を含めて建設業全体を俯瞰し、チャレンジのリスクと現状維持のリスクを改めて考えてみてはいかがだろうか。
ここで話しをひっくり返すようだが、人手不足の現状とともに、人が余っている問題があることも1つの事実だ。他の業界でも有り得る話だが、定年が近付いた世代の一定数は生産性が落ちる。最近では「働かないおじさん」等と揶揄されているが、年功序列により高給取りでありながら実際の業務からも管理業務からも離れている人物を指すようだ。このような格差による不満を耳にする機会は多い。
終身雇用が確約されない社会が近付いていることは、口には出さずとも感じている人は少なくない。被雇用者であるならば、自らの能力によって企業にメリットを付与しなければ解雇、減給も有り得る。近い将来、個人レベルの差が今まで以上に評価される時代になるのかもしれない。
世界はこれから更に機械に囲まれていく
i-Constructionによる技術革新の多くは、少ない労働時間で生産性を向上させるシステム、機器が並ぶ。導入コストや導入手間を乗り越えた先には、確かな対価を得られるだろう。
ここで提起するのが、職業の減少である。AIの活用により、設計・施工のオートメーション化が進んでいく中で、人手不足の解消を目的とした結果、人材不要の業務があることに気付く。そのとき、必要とされる職業とそれに適した能力の持ち主は重宝されるに違いない。
建設業において、依頼する「人」と請け負う「人」は今後も在り続ける。これから更に機械に囲まれていく世界で、人と人との部分で活躍するためには、泥臭い自助努力によって身に付く確かな技術が必要不可欠ではないだろうか。
記事の内容は非常に同感するところが多いです。
耳触りの良い言葉でまるで業務が削減されるかのように喧伝する大手建設会社が多いように感じます。協力会社はそのシステムに同調するために多くの費用と人工を取られていきます。将来的にペイする前に会社としての体力が持つのかどうかを見極めながら進めていかなければなりません。
大手建設会社にはその点の配慮が大きくかけているように思えます。
最後は人と人の信頼関係が仕事量を左右すると思いますので、基本的な部分を忘れないようにすることが大切なのではないでしょうか。
同感です。
ICTには賛成ですが、ほとんどの推進派(特に現場経験の無い)の方は良い面ばかりで問題点に触れようとしていない気がします。
企業の働き方改革と同様に発注者の改革が必須と思います。
なんでもとは言いませんがある程度ポジティブリスト方式からネガティブリスト方式に変えるとか基本的なシステムをまず見直した方が良いと思う。
責任取りたくないのはわかりますが