海上自衛隊唯一の”工事専門部隊”も存在する!
そんな海上自衛隊の施設職域ですが、唯一、自前で工事をする部隊が存在します。それが八戸航空基地に所在する「機動施設隊」という部隊です。
機動施設隊は、海上自衛隊の航空部隊の運用等に必要な施設の維持、修理、被害の復旧作業、その他の整備に関する業務を機動的に行うことを任務とする部隊です。また、災害派遣や除雪支援等の民生協力も担っています。隊員数は約80人です。
陸上自衛隊の活躍の影に隠れて目立っていませんが、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震の際には災害派遣に従事し、がれき除去や物資輸送を行いました。
機動施設隊は、基本的に航空機の離着陸に必要な滑走路の被害復旧のために創立された部隊です。そのため、舗装工事を主体的に行っています。
平時には全国各地の部隊に派遣され、自隊の機材を輸送して約2~3か月の期間、舗装工事等(一応、他種土木工事も施工します)に従事します。実績として多いのはやはり道路舗装工事であったと記憶しています。
一般の方には、海上自衛官が道路舗装工事を行っているとは想像もできなかったのではないでしょうか?
除雪も仕事の一つです!
海上自衛隊は青森県の八戸市に固定翼の航空基地、大湊に回転翼の航空基地、そして京都府舞鶴市に同じく回転翼の航空基地を保有しています。この3基地は、冬になると雪が降ります。雪が降り、積もってしまうと航空機を運航することができません。
そのため、施設職域の隊員が主力となって除雪車両を操縦し、滑走路の除雪をしているのです。積雪は夜中がほとんどなので隊員は夜通し、除雪をして航空機がいつでも運航できる状態を維持しているのです。

除雪車
・・・ざっくりでしたが、海上自衛隊施設職域の隊員のお仕事について書きました。
私も艦艇基地、航空基地で勤務してきた経験がありますが、やはり部隊の運用方法が異なるため、同じ海上自衛隊であっても文化の違いがあり、苦労したことが多々ありました。
今後は、海上自衛官として経験した、工事に関わる苦労話をしていきたいと思います。
素敵です。
海自の職域がよくわかります?