【髙松建設】「古来の技術と新たな発想を融合する」世界最古の企業”金剛組”再生でベスト・プロデュース賞を受賞
「エネルギー」を使わない時代がやってくる
――東京ガスが「市場志向」を持っているのは意外でした。
石井敏康氏 SDGs(持続可能な開発目標)を考えれば、エネルギーを使わなければ使わないほど良い時代が必ず到来します。すると、エネルギー単体で販売を拡大していくことは現実的に難しくなり、エネルギー分野単独での売上も減少を余儀なくされるでしょう。つまり、東京ガスの定義を「単なるエネルギー供給会社」と狭めて考えてしまうと、新たなビジネスに参入しにくくなるわけです。
お客さまも、電気・ガスといったエネルギー供給単体ではなく、温かさや美味しさといった快適な住空間を求めています。快適でコストも低く、環境に与える負荷も少ない住空間さえ実現できれば、エネルギー供給会社はどこでもよいのです。逆に考えると、快適な住空間を提案することができれば、結果としてエネルギーについてもパッケージでご提案できます。
当社としては、既存のマンションや住宅のリノベーションに対して、古くはガス器具の修理から始まり、業務を拡大することで多くのツールも持ち合わせております。しかし、バラバラにツールを保有していても、単発のニーズにしか応えることができません。
そこで、グループの技術力などを集約し、お客さまのさまざまなニーズにこたえ、共同提案ができるよう、旧「東京ガスリビングエンジニアリング株式会社」と旧「東京ガスリモデリング株式会社」が合併し、この7月1日から「東京ガスリノベーション株式会社」が誕生することになりました。
――具体的にはどのようなリノベーションを?
石井敏康氏 東京ガスグループでは、デベロッパーと連携して街づくりにも関わっていますが、当社としてはマンション1棟のレジリエンスを高める取り組み、例えば、屋上の防水層の改修時に、太陽光発電や蓄電池なども設置し、災害による停電時にも電気が使えるマンションへの修繕、お客さまの暮らしぶりに寄り添った戸建て住宅のフルリノベーションまで目指していきます。
もともと、旧「東京ガスリビングエンジニアリング株式会社」は”B to B”の業務で、主に首都圏における既存集合住宅のお客さまへのガス機器の販売やメンテナンス、共用部の修繕工事のほか、給排気設備の設計・点検・工事や部材の開発・販売等でした。一方、旧「東京ガスリモデリング株式会社」は”B to C”の業務で、首都圏を中心とした、住宅リフォームのプランニング・設計・施工と不動産仲介です。
昨今、風水害・停電等の災害から早急に復旧できるレジリエンスへの対応、人口減少による空き家問題、今後増大する集合住宅共用部修繕工事への対応など、住環境に関わるさまざまな社会課題が顕在化しつつあります。
この度の合併により、これらの社会課題を解決するため、両社が培ってきたノウハウを柔軟に組み合あせ、既存建物へのリノベーションをワンストップで提供することを目指しています。
いくら口を酸っぱくして重要な事を説いても下請けがアホだとどうしようもない。