いくらなんでも、”安全弱者”はヒドい!
今の宿舎から現場までは、歩いて約20分ほどで手頃な距離なのだが、今の現場に最初に来た時、「自転車だと丁度いい距離なんですけどね」と所長に言ったことがある。すると、「自転車は絶対ダメだ!万一、事故に遭ったら困る!全面的に禁止だ。社員も全員禁止になっている!」と、ハッキリ言われた。
しかし、その後、そう言っていた所長をはじめ、数人の社員の人が自転車で現場に通っているのを見たり聞いたりした。ん?なんだ!?と思ったが、そんなことを追及しても始まらないので、何も言っていない。
ただ、どうも変だよなあ。あれほどハッキリ駄目と言いながら!自分自身が平気で自転車乗って来るって、どういう神経してんだ!いい加減だよなあ!と思う気持ちは拭えない。
まだまだある。この現場は、外国人の作業員が結構多い。私は安全担当なので、新規に入場する人達の新規入場教育を担当しているが、その中で外国人の人達には、どんなに経験があっても日本語が上手でも、無条件で「”安全弱者”と書いたヘルメットバンドをつけさせろ!」と所長に言われた。
他の新規の人達には、2週間の間は”新規”と書いたヘルメットバンドをつけてもらうのだが、65歳以上と外国人は、全員”安全弱者”をつけろという。いくらなんでも、”安全弱者”というのはヒドい!
そこで私は、「ヘルメットバンドをつけるのは分かるが、言葉を変えませんか?」と提案した。「じゃどうする?」と聞かれたので、それも適切とは言えないが少なくとも安全弱者よりはマシだと思い、とっさに「”見守者”はどうでしょう?」と言った。
直接的に仕事には影響がないようなことだが、人間に感情があるのを無視して、機械のようにただ何かを貼って区別しよう、目立つようにしようと考えるのは良くないと思う。作業員の人達をプロとして扱い、その代わり、プロとしての仕事をしてもらう!それが互いの人間関係、信頼関係を築き上げるのではないだろうか。
所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。
現場は信頼関係で成り立っている。
現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職がいる建設会社が多いことが残念です。