慣れが引き起こすヒヤリハット
先日、現場で重大ヒヤリハットが起きた。高所から電線管パイプを落としたのだ!作業員に聞き取りをしたが、もうこれは事故と言える。
手が滑って鉄管を落としたわけだが、手袋をしてなかった、雨で資材が濡れていたので脚立から材料を両手で持って前向きに降りた、2人作業のところを1人で作業した、安全ネットが不十分だったなど、あとから考えれば原因は次から次へと挙げられる。
しかし、1番の原因は、作業の慣れによる注意力の低下だろう。毎日同じような作業であっても、その中身は微妙に違う。作業をする人間そのものの感情が違う、天気も違う、予定も違う、様々な要素や条件が毎日少しずつ違うのだ。その違いを把握したうえで仕事をこなす!それが、プロフェッショナルではないだろうか。
老舗の味を守る料理人なども、毎日仕入れる材料の鮮度や品質も違えば、調理をする人間そのものの体調だって日々変わる。その中で、毎日同じ味を維持するのは、並大抵の技術ではないはずだ。一見同じ作業に見えても、玄人のレベルを常に維持し、それをどこの現場に行っても発揮できるのが、本当のプロフェッショナルだ。
条件がどう変わろうが、現場が変わろうが、その確実な積み重ねが臨機応変な現場での工夫やアイデアに繋がっていく。応用がドンドン利くようになってくる。それは、我々のような建築技術者も全く同じだと思う。小さな違いを認識し、微調整出来るか出来ないかが、伸びる人と伸びない人の大きな違いだろう。
所長が部下の人間性を否定するような現場がうまく回るはずがない。
現場は信頼関係で成り立っている。
現場の雰囲気は主に所長がつくりあげあてしまう。そのような管理職がいる建設会社が多いことが残念です。