経験の浅い職人は何をするかわからない
ボスは根っからの船乗りで、工事のことなどほとんどわかりません。温厚な性格で怒ることもないため、部下からは慕われていました。
そのボスに火災発生の経緯と今後の処置について報告すると、
「このことは他山の石としなさい。人間は火を見ると気づいていなくても恐怖心が出てくる。当事者が若い職人ならなおさら経験がないからパニックだろう。護衛艦でも火災が起きれば若い隊員は同じような状況になる。精神的なフォローは私たちの仕事ではないが、私は気にしていないが若い職人を精神的に追い込まないようにと工事の責任者に伝えておいてくれ。まあ、庁舎の屋上で窯が燃えなくてよかったね」
私はボスの言葉を受けて反省しました。確かに溶融窯を扱う場所を、私も部下も前もって確認していなかったからです。溶融窯を扱うには事前の確認をする必要がありました。
皆さんはこのような事例にあうことはほとんどないと思います。しかし、経験が浅い職人は何をするかわかりません。事前に作業の手順や不具合発生時の報告体制等、風通しの良い環境を作っていくことが大切だと考えます。
余談ながら、数日は庁舎からアスファルト臭が消えず、臭いが消えるまで毎日ボスから小言を言われてしまいました・・・残念。
素晴らしいボスですね