1級土木施工管理技士 過去問分析に基づく試験合格対策 土工「軟弱地盤対策・排水工」
1級土木施工管理技士試験の土工「軟弱地盤対策・排水工」の出題では、軟弱地盤対策の工法名と工法の説明の組み合わせが非常によく出題されます。2級土木施工管理技士の実地試験で工法の説明が出題されることもありますよね。
解答のポイントは、工法名に工法の説明のヒントが隠れているので、工法名を読んで、工法が説明できるようになっていればOK!
軟弱地盤対策工の種類と効果
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表層処理工法(サンドマット工法)
軟弱地盤の表層を処理する工法。ジオテキスタイル・鉄網などを敷広げたり、基礎地盤の表面を石灰やセメントで処理したり、排水溝を設けるなどしてトラフィカビリティーを確保する工法。
→特によく出題される工法がサンドマット工法。砂のマットを軟弱地盤上に敷設する工法。敷砂(厚さ0.5~1.2m)を地盤上に施工して、軟弱層の圧密のための上部排水層の役割を果たす。
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押え盛土工法
施工している盛土が沈下して側方にすべるのを防ぐために、計画の盛土の側方部を押えるための盛土を設置することで、盛土の安定をはかる工法。
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置換工法
軟弱層の一部または全部を除去し、良質材で置き換える工法である。盛土補強工法 盛土の側方に鋼製ネット,ジオテキスタイル等を設置し,盛土を補強する工法。
荷重軽減工法 盛土本体の重量を軽減する工法。盛土材として、発泡剤(ポリスチレン)、軽石、スラグなどが使用される。
載荷重工法 「載荷重→荷重を積載」する工法。将来建設される構造物の荷重と同等かそれ以上の荷重を載荷して基礎地盤の圧密沈下を促進させ、かつ地盤強度を増加させた後、積荷重を除去して構造物を構築する工法。
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バーチカルドレーン工法
バーチカル→垂直(鉛直)、ドレーン→排水工法。地盤中に鉛直方向に砂柱・カードボード・礫(砂利)などを設置し、水平方向の圧密排水距離を短縮し、圧密沈下を促進し合わせて強度増加を図る工法。排水材料によって工法名が変わる
砂柱→サンドドレーン工法・カードボード(段ボール・紙状の排水材料)→カーボドレーン工法(ペーパードレーン)・砂利→グラベルドレーン工法
サンドコンパクションパイル工法 サンド→砂、コンパクション→衝撃、パイル→杭
軟弱地盤中に振動あるいは衝撃荷重により砂を打ち込み、密度が高く強い砂杭を造成するとともに、軟弱層を締め固めることにより、沈下の減少などをはかる工法。
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固結工法
深層混合処理工法 固結・・・固める、工法。セメント系の固化剤を撹拌混合・薬液の凝結効果により地盤の透水性を低下させ、地盤の強度を増加させる工法である。
【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?
ペーパードレーン工法は、粘性土(細粒土)の地盤の中にネット状の袋に詰めた砂の排水層を鉛直方向に設置し、圧密排水を促進させるものである。 |
→解答×。「ペーパー→紙、ドレーン→排水」工法。記述は「砂の排水層→サンドドレーン」なので×である。「〇〇ドレーン工法」が出てきたら何によって排水しているかに注意。また、「排水」という言葉が入っているかどうかに要注意!
排水工法の種類と効果
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釜場排水工法
掘削面に浸透してくる水を、掘削面より深い位置に釜場を設置(ドラム缶などを設置)し水を集めて水中ポンプで排水する工法
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ディープウェル工法 深井戸排水工法
「ディープ→深い」「ウェル→井戸」工法。地盤の地下水をポンプで排水し地下水位を低下させ、種々の地下水が原因でおこる現象を軽減する工法。広範囲に地下水位を低下させる場合、透水性が大きく、排水量が多い場合に適している。
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ウェルポイント工法
「ウェル→井戸」「ポイント→点」工法。掘削箇所の内側及び周囲をウェルポイントと呼ぶ吸水装置(井戸)で取り囲み、先端の吸水部から地下水を真空ポンプで強制的に排水し、地下水位を低下させる工法。比較的浅く、広い範囲の地下水を低下させる場合に有効である。透水係数の小さい土質にも適用。※細粒分を多く含む土には適さない。
【練習問題】次の記述は正しいでしょうか、誤っているでしょうか?
ディープウェル工法は、透水性が低い粘性土(細粒土)地盤の地下水位を低下させる場合に用いられる工法である。 |
→解答×。ディープウェル工法は透水性が大きく、排水量多い場合に適している。透水係数の小さい土質にも適用するのはウェルポイント工法である。
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