一つの事業に依存する怖さ
――倒産した理由は?
磯﨑 一番の理由は、「RC造住宅」一本で決め打ちしてビジネスを行っていたからです。このやり方は、岡山県という市場では無理です。当社は、住宅分野では並行して、木造やハイブリッド建築の提案を行い、さらに公共・民間のハコモノ建築も手掛けています。
ビジネスのシーズは多様化しています。色々な建築・住宅を手掛けているからこそ、提案力も豊富になります。住宅事業しかやらなかったら、情報も技術も偏りますからね。
――住宅建築業界の今後は。
磯﨑 戸建て住宅を建築する際、現在では90%の方が木造を選択されます。それ以外は軽量鉄骨のほか、わずか数%の方がRC造を選びます。住宅には木造がベストだと考える方も多いです。
しかし、ちょっと視点をずらして考えると、木造かRC造かではなく、戸建てかマンションかで悩まれ、最終的にマンションを選んでいる方も多くいらっしゃるわけです。
こうした方は、セキュリティーがしっかりしている、頑丈である、音の問題が少ない、外気温に左右されないなどの理由でマンションを選択しています。しかし、これはマンションではなく、コンクリートの特性ですよね。コンクリートの建物は安心感があるんですよ。
住宅業界は木造を販売している会社が大多数を占めているので、木造のメリットしか表面化しません。しかし、マンションのメリットを見てみると、RC造住宅のメリットにも通じます。それを今後、アピールしていきたいですね。
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