受入れを適正に行うため、企業側に必要な3つの理解
ここまで、技能実習・特定技能を適正に行うためのポイントについて深掘りしてきましたが、最後は、企業側に必要な3つの理解についてお話します。
【必要な理解1:適正な運用】
これまで説明させて頂いたように、技能実習・特定技能は適正な運用が求められます。これに対して、理解がない状態で雇用をしてしまうと、企業として大きなリスクを長期間背負うことになります。自社の将来のためにも正しい運用が必須です。
【必要な理解2:言葉遣い】
言葉遣いにも理解が必要です。例えば、外国籍人材へ「お前」などと呼ぶ行為は注意が必要です。
建設現場等で、日本人同士でも相手に対して「お前」と呼ぶ行為はよく見かけますが、外国籍の方々は「お前」と呼ばれると、「怒られているのか」等と間違った理解をしてしまうこともあります。
その背景として、まず技能実習生の場合、入国前に日本語の教育を現地の送り出し機関で受講します。その際、相手を指す言葉は「あなた」と学び入国するため、「お前」と呼ばれると当然、違和感や恐怖を感じます。
このような小さな言葉の積み重ねが、失踪という最悪な結末を引き起こすケースも多々あります。
【必要な理解3:教育】
○技能検定合格のための教育
技能実習1号から2号へ移行する際や、技能実習2号から特定技能1号へ移行する(作業変更がある場合)際には、技能検定の受験が必須になります(ただし、技能実習から特定技能への移行の場合、通常、同作業を特定技能でも行うことが多いです)。
試験に不合格の場合は、技能実習1号から技能実習2号への移行の技能検定は、一度だけ再試験が可能です。再試験に不合格の場合は、強制帰国となります。
また、試験日の設定が在留期間終了の直前となってしまい再受験ができない場合があるので、在留資格の滞在期間の半分(6カ月)を過ぎる前までに、必ず技能検定(基礎級)の受検申請が必要です。
そして、技能実習2号から特定技能1号への移行の技能検定は、実習実施者により良好に技能実習を行っていた旨の評価証(仮称)を変更申請時に提出することで、在留資格移行が許可されることがあります。ただし、試験合格が原則となります。
技能検定への主な教育としては、下記の2つです。
- 過去問題を徹底的に解かせること(学科試験対策)
- 模擬試験を行い、時間内に終了できるようにすること(実技試験対策)
検定受験料も企業負担であり、不合格の際は帰国というケースもありますので、自社の技能実習生と協力して共に合格を目指してください。
○現場での教育
建設現場では、上司が部下を教育する際、「背中を見て覚えろ」という教育風景が見受けられます。教えてもらう立場の場合は、日本人でも初めは理解するのに難しさを感じることでしょう。
教えてもらう立場が外国籍人材の場合は当然、理解することがさらに難しいと思います。日本に来て間もない外国籍人材の立場を理解した上で教育を行うことで、失踪などの最悪な結末を防げる可能性が高まります。
技能実習・特定技能を適正に行うためのまとめ
第3回では、技能実習・特定技能の受入れを適正に行うために必要な理解や、受入れ時の禁止事項や企業側が背負うリスクなどについてご説明しました。
外国籍人材は、会社、建設業界、そして日本のためにも、今後さらに必要不可欠な存在になっていきます。企業側や外国籍人材がお互いに幸せになるためにも、適正な運用が求められ、互いに理解し合い家族のような関係構築が重要になります。
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