先輩施工管理技士が「若手技術者の増加策」について思うこと
施工:細倉さんの経験から、建設業に若手を増やすためには、どんな対策が必要だと思いますか?
細倉:私は最初、一般土木作業員でした。それから施工管理技士や鉄道工事管理者等の資格を取得し、現場を任されるようになりました。様々な現場と失敗を経験して今に至ります。なぜ作業員できつい仕事をしながらも、建設業を続けてこれたのかと言えば、給料が同年代よりも比較的良かったからです。
そして、当時の先輩方が仕事に対する豊富な経験と知識を持っており、それを思う存分に吸収し、自分のものにすることが出来たからだと思います。
働くモチベーションは人それぞれですが、自分のものにできる、という環境さえあれば人は集まります。私もそうしたものを若い人に提供できるようになりたいと思っています。
施工:これから施工管理技士になろうとしている方に、アドバイスはありますか?
細倉:建設業は、談合事件でニュースになったり、予算を使いすぎるとか、特に年度末などはそこらじゅうを掘り返して無駄な工事をしてるとか、まるで悪者扱いされたりする時期もありました。しかし、東日本大震災をきっかけに建設業の本来の力が見直されつつあると思います。
施工管理の仕事には、事務所の中にいるだけでは体験できないことがたくさんあり、人や物そして自然を相手に自己の資質を高める機会に恵まれた環境が揃っています。そこに関心を持てれば、一生の仕事になりうるのではないかと思います。
復興工事における土木施工管理業務とは?
施工:細倉さんは現在、どんな工事に携わっていますか?
細倉:東日本大震災で被害を受けた宮城県内の河川災害復旧工事に従事しています。沈下戻しの原型復旧工事、既設水門撤去工事、潮止め堰新設工事等を一体的に行う事業で、土木施工管理技士として主に品質管理・出来形管理・写真管理を担当しています。河川災害復旧工事ではありますが、河口に近い海岸堤防工事も伴うので、これまでに経験した河川堤防工事とは仕様がやや異なります。

現場で図面を確認する細倉さん
施工:復興工事ならではの苦労している点はありますか?
細倉:仕事内容は、これまでに経験してきた土木工事とあまり変わらないので、特に苦労していませんが、一般工事と復旧工事との違いは、とにかく復興事業は単体規模が大きいことではないでしょうか。
施工:現場の雰囲気や働きやすさはどうですか?
細倉:現場所長が気さくな方で、私の意見も積極的に取り入れてくださるので、とても仕事がしやすいです。施工管理の仕事では、スムーズに現場を運営するために、作業員さんたちとのコミュニケーションが不可欠となりますが、所長さんの振る舞いからも学ぶべき点が多いですね。
◎細倉さんの1日のスケジュール
6時30分 | 起床 |
6時50分 | アパート出発(通勤は車で20分程度) |
7時10分 | 現場事務所に到着 |
8時00分 | 現場事務所前の広場で朝礼 |
8時30分 | その日の作業工程により、現場管理または事務所内で書類作成 |
13時00分 | 現場事務所において、当日および翌日の作業内容、人員、材料手配の確認 |
(作業日誌作成) | |
17時00分 | 現場作業終了の確認 |
17時30分 | 帰宅 |
17時50分 | アパートに到着 |
トラロープの巻き方知らなくても、スーパーゼネコンの所長やってるやつがいるくらいだから、誰でも土木できるよ