国産材使用率100%を目指す
――国産材について、どのような調達の仕組みを考えているか。
谷口氏 山・森林組合から一度、集成材工場・製材工場へ卸し、そこから日本木造分譲住宅協会へと販売します。その後、協会から3社それぞれの提携先のプレカット工場に販売する流れとなります。
この方式を採用した理由は、国産材を安定調達できなければ、住宅を建築できないからです。ですので、協会は3社の情報の集約機関として、予定着工棟数を事前に山・森林組合にお知らせし、必要数を確保します。
次に価格面ですが、3社それぞれに施工ボリュームがあるため、安定した価格でプレカット工場に販売する予定です。国産材を扱うにしても、今まで商社や問屋の機能がなかったので、協会がその機能を果たしていきます。我々としては利益を出すことよりも、安定した価格で国産材を調達することを重視しています。
森林所有者や製材工場など、必要最低限の業者と直接取引や業務提携を行うことで、国産材の安定コストと安定供給が可能になると考えています。
――いつ頃から国産材調達を?
谷口氏 今年の5月から開始します。
――三栄建築設計としても、国産材使用割合100%目指しているが。
谷口氏 三栄建築設計では木造戸建分譲を自社設計・施工で行い、年間約2,600棟を供給していますが、現時点では1棟あたり約75%が輸入材です。今後はSDGsの推進をはかり、国産材使用割合100%実現を目指します。
今回、東京都府中市の分譲住宅1棟でテストを行い、国産材使用割合を97.4%まで上げることに成功しました。このテストケースが成功したことを受け、今後着工するすべての木造住宅等で国産材使用割合は90%を基準として生産をスタートしています。
三栄建築設計クラスの規模の分譲住宅での国産材使用率を100%まで上げていく試みはそうありません。オープンハウスやケイアイスター不動産では、国産材100%使用の宣言はしていませんが、今よりも国産材の割合を増やしていく方針は同じです。
――国産材住宅の魅力とは?
谷口氏 国産材に悪いイメージを持たれる方はそういらっしゃらないでしょう。国産材と輸入材を比較して性能は変わりませんが、国産は安心感に通じるところがあります。
――協会に入会したいという企業は?
谷口氏 問い合わせもいただいており、趣旨に賛同してくださる会員企業を増やしていくことに注力していきます。
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山間部、地元の工務店さんに直接頼むと都市部では考えられない位の安い価格で建ててくれる所が多いですよ。
当然ご当地の木材ですし、物も良いです。