施工管理者がまさかの製品開発!?
ある日、社内で仕事をしていると、デスクの遠くからこんな会話が聞こえてきました。
上司たち もうこの仕様をやめるしかない。しかし、このメーカー既製品にあう部材があればいいんだけど。。。
そう上司たちが話していたのは、我が社の住宅の仕様や構造上、メーカー既製品とどうしてもマッチしない箇所があり、毎度引き渡し後に問題が起こる事案で、仕様のモデルチェンジ当初から社内で頭を悩ませていることでした。
メーカー既製品とマッチさせるためには、それに見合った造作材と組み合わせる必要がありましたが、メーカーに問い合わせても「そんなうまい部材は無い」、建材問屋に問い合わせても「それに合う精度の高い部材は無い」、材木屋に頼んでも「うちは製品つくる会社じゃない」と言われる始末。
私が入社してからもこの問題は勃発しており、会社はもうお手上げ状態で、クレーム対応もうやむやにしてきた案件でした…。
Takict ちょっといいですか?新人が言うのもあれですが、メーカー既製品に合う部材をオリジナルで作ればいいんじゃないですか?
上司たち …!!??作れるのかい?(顔近め)
Takict NCルーターを導入している家具屋さんであれば、どんな形状でも対応できますし、大量生産でコストも抑えられるんじゃないですか?
上司たち …!!??なら君に未来を任せていいか!!??(顔近すぎ)
Takict 数日で予算、サンプル出します。設計に、部材の形状をCADで書いてもらい、私に送ってください。
こうして、新しい当社オリジナルの部材製作が始まったのです。ここから先は、現場の人間としての意地のお話になります(笑)。
現場の人間としての意地
早速、1つの現場に20個は使うモノを、当社実績の年間100棟分を6期に分けて、大量発注できる家具屋を探しました。設計から出された40×60×厚み9mmほどのプレートを、NCルーター加工+塗装費(色指定)でロットは6期分で300枚。
出てきた金額は1ヶ1000円、1現場2万で年間100棟で200万。クレームを防ぐためとはいえ、あまりに大きな金額…。もちろん上司は誰一人としていい顔はせず、ただただ落胆するばかりでした。
上司の予想は高くとも1ヶ500円程度、私としても1ヶ600円以内で出てくると予想していたので、出てきた金額があまりにも高額で愕然としました。
ですが、こんなところで諦める私じゃありません。ここからが施工管理者として、現場の人間としての意地の見せ所です。
“ここから先が、今まで会社が実現できずにうやむやにしてきた壁だ。必ず突破口を見つけ出し、突破してみせる!!”
現場を知っているからこその細かな納まりを考え、見えない部分・使わない部分の単純化を図り、無駄を削る。厚み、素材、形状の見直し、塗装方法、塗装部分、色指定を除外し、設計を指示。ロット数を3期分の600枚まであげ、これで再度見積もりを依頼。。。
後日、出てきた金額は、1ヶ400円、1現場8千円、年間80万!!!
想像の域を遥かに超えた単価とサンプルの仕上がり、ロット発注にかかるコストと、今後の着工物件数との兼ね合いも考えられた申し分ない製品提案に、役員だけでなく全社員が満場一致ですぐに決裁が下り、長年クレームの根源になっていた壁を打破することができました。
こうして、私の「企業努力」は実を結んだというわけです。
なんの自慢?(笑)
1>そう取っちゃう人もいるんですね(笑)企業のために出来た実体験を書いただけです。書く時は気をつけないとですね。わざわざコメントありがとうございますm(_ _)m
Takict
企業努力というのは企業が社会対して働きかけの努力をするもので、単に利得を増やす事とは無関係という意味でしょう。
2>ちなみに利益は増えていません。今までなかったものを生み出す為に行った投資なのでマイナスです。
ただし、価値があるものを生み出したので「こんなものを開発した。」と企業が社会に働きかければ、「それいいね!」と真似する企業も出てくるでしょう。企業が行った価値創造は社会にとって価値を生むものだと思っています。利益の追求ではなく、価値を生むための投資は非常に重要だと昔から考えています。
コメントありがとうございますm(_ _)m
Takict
同じ建設業とはいえ色々な立場の方が見えるので受け取り方も十人十色なのかもしれませんね。
でも私も感じるのは、細部の納まりが現場では重要な問題となっていることが多々あり、そうした問題を粗末に扱わず、ちゃんと向き合うことはとても良いことだと思います。
問題解決の方法を建築の中だけでなく外に働きかけることで解決の糸口を見つけることもまた、素晴らしい発想だと思います。
色々なチャレンジを一歩一歩積み重ねて
より良い建設業、建築現場を目指せたらいいですよね。皆で頑張りましょう!
ありがとうございますm(_ _)m
4さんが言われてるように
細かい収まりはとても大事だと思います!細かいところの指示って監督のセンスがでるところだと思っています。
そこを百戦錬磨の経験を積んでセンスを磨いていきたいとほんと思います!
一つ一つ大事に身につけていこうと思います!
Takict
上司「何故できないのか」
部下1「不可能な事をやろうとしてるからできないんだよ」
上司「できない理由ではなくポジティブ思考で考えてみよう」
部下2「年収一千万にするならできる(人材が来るでしょう)」
上司「。。。。。」
(笑)
一千万ならいい人材来るかもですね!
でも経営戦略的な考えで行けば、一千万の人材が必ずしもその会社で使えるかは別次元ですよねー。
年収貰ってて出来ない人間沢山見てきました(笑)矛盾を感じますよね。
そうした人材が逆に会社の経営を振り回す場合もあります。
どこにでも会社の社風ってあります。社員1人の力で開拓って出来ません。結局、協調性/人間力/リーダーシップ。
これを兼ね備えた人なら1000万出すのも惜しくはないですね。
東大卒はやっぱりすごい
自分ができない理由をA4レポートで長々と書いて提出した奴がいた
結局、チームで実現する方法を考えてきた別の奴の案が採用された ^_^