知っているのと知らないのとでは雲泥の差
電気の専門家たちから、こんなことも教わった。
ケーブルは、直径1~3m程度の木製ケーブルドラムに巻かれて搬入され、一般的に建物の上階に荷揚げされるそうだ。
ケーブルそのものの重量があるため、下から上に引っ張るのは大変なので、極力、建屋の上階のパネルなど起点になる部分に荷揚げされ、そこから下階に向かうように作業を進めるのが原則だと聞いた。
荷揚げの時には、主要な地点に人を配置し、1本のケーブルを「せーの!せーの!」と声を掛け合いながら、全員が同時に引っ張り上げる。
ラックは水平や垂直あるいは斜めに走っているので、曲がり部の抵抗は思いのほか大きく、作業人数もラックの曲がり具合に応じて増やすらしい。
水平のところはいいが、面倒なのは、垂直に立ち上がったところや斜めにねじれるように立ち上がっていくラックの上のケーブルの固定だそうだ。
固定には、樹脂製の結束バンドと繊維の黒ヒモがあるが、樹脂製のバンドは力が掛かるので、垂直の位置でケーブルがずり落ちないように固定するために使われることが多いらしい。
ただ、使い分けは現場によっても異なるそうで、樹脂製はあくまで仮止め用で最後は全部を繊維ヒモにする場合もあれば、要所要所で樹脂製のバンドを使っている現場もあるようだ。
――今回このように話を聞けたのは、私にとって非常に価値があった。初歩的な知識かもしれないが、知っているのと知らないのとでは雲泥の差だと思う。
今後、他の現場でケーブル敷設工事があった際、電気担当者や電気業者に意見や疑問を言えるようになっただけでも大きい進歩だ。
まだまだ序の口だが、ここの現場で得た知識や経験をまた次の現場でも活かしたい!と思っている。