現場合わせを期待した設計図が多すぎる
建築設計事務所で監理業務に専従していると、現場合わせ(いわゆる丸投げ)を期待した設計図が多々見られます。
私自身はなんちゃって建築士なので、監理業務をメインに自社建築士設計の図書を照合するのですが、「なんでこ~なるの!?」っていう設計図書が結構あります。
例えば、意匠図面と構造図面の片流れ屋根の勾配が見事に逆になっている、でも済証はおりている。確認検査機構もえらいテキトウやな・・・みたいな。
でも、これはまだカワイイものです。こんなこともありました。
私が経験した「どないやねん」な現場
内訳書の中身で設計者の鉄筋数量の拾い忘れがあり、施工者から鉄筋が足りないとクレームが来ました。
確認してみると、鉄筋が5t足りない・・・。平屋のRC造ではマイナス分の埋め合わせが出来ないので、会社で約50万円を補填するハメに。
でも、”なぜか”主犯格の設計者が現場に来ないから、謝るのは監理者。
どないやねん!!
はい、まだまだあります。ドンドン行きましょう。次は、とある高層建築物の新築工事でのお話。
設計の段階で、すでに山留の親杭が既設埋設管(700φ)と干渉している。敷地が狭いため逃げ場所がない。
設計者曰く、「山留工事のことは全く頭になかった。敷地内に納まっているから当時は問題ないと思ってた」と。開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。
しかし、設計図書の仮設図面を見てみると、仮設の親杭たくさん打ち込んでますけど・・・?
誰だ!設計者は!?!?
さっきの発言はなんなんだ!?!?
と、怒りたい気持ちを抑えて施工者と最善策をひねり出す。出だしからショッパイ現場だぜ・・・。
自社設計なので、監理担当者は設計者のケツを持たなければなりません。それは当然、私も理解しています。でもひとつだけ言わせてください。
設計する方は、もっと責任感を持つべきです。
見方によって意見はあれど、これは事実だと感じる。
本当に無責任だなと感じる事が多いし、それを通している役所も、役所の中で指摘しないのも大きく問題。
こういう記事おもしろい
鉄筋数量の拾いって施工者側でもやるでしょ?設計者が発注する訳じゃ無いんだから施工者が確認して数量間違ってるならそれを設計者、発注者に申し入れて費用増額するように調整したらいいだけの話が何で施工者負担になるという結果なのか。設計者も悪いが施工業者も悪い。
質の悪い施工業者は拾いもできないですよ。
行政の参考内訳書を鵜呑みにして、下請けに丸投げ。
平気で「拾いなんかできない」って言ってくる業者もいますよ。
費用増額の調整をした結果もらえなかったのが、なぜ施工者の責任(悪い)になるんですか寝。被ってあげてる時点で感謝でしょう。
おっしゃるとおり、設計監理同一同一人物にすればよいだけじゃないですか。
そうでなければ、請けなければ良い。
設計が数量拾いまでやってたら他の設計に時間割けない。積算できる人に頼むべき。
これとはあまり関係ないが、最近意匠図と構造図がかけ離れていることが多い。
構造屋さんももうちょっと納まり考えて描いてくれよな!
きっと一発出してハイ¥〇〇、あとは知らない!てな感じなんだろう。
同意です。
構造屋さんも意匠図と不整合な図面が多すぎ!!
机上の空論的な適判おろすためだけの構造図面などいらないですよ。
全くもってその通りだと思います。
設計と現場で温度感があると、高確率でトラブルが発生します。
そしてそのトラブルは時に施行の不具合だけでなく、予想外のアクシデントを引き起こします。
それを現場で即座にアドリブで対応しようとすると、必ず危険な作業が発生します。
労災の発生源です。最悪です。
私は装置メーカーに勤めていますが、設計者は現場の目線、顧客の目線を持つべきですね。
ジャンルは違えど、本質的なところは同じだと思います。
現場の声を拾い上げる秀逸な記事です。