リノベ公園の施工ポイントとは?
そこで、この計画でどのような施工を行ったのかを聞いた。
「公園と駅をつなぐインターロッキングについては、既存の公園と合わせて整備したことで、全体的に連続性を持たせたデザインとした。加えて、駅からの導線を検討し、石ころのようなベンチを配置した」(東急)
次に、施工の担当者である東急建設の森弘史現場所長に話を聞いた。
「こすぎコアパークは、東急東横線・目黒線の線路がすぐ横を走るため、鉄道運行に支障のないよう細心の注意を払い施工しました。また、フェンスや植栽帯による分断がなく一体的に接道する公園ですので、歩行者への安全にも配慮しました。通常の建築物であれば接道面は1~2面と限られていますが、すべて面しているうえ、1面は電車が走る高架橋でしたので、作業にあたっての制限もありました。その点はまちづくり、鉄道近接作業の知見が豊富な東急様からの指導を受けつつ施工しました」

石ころのようなベンチを配置するなど、細かい点で工夫を凝らした
高架橋の高圧線と接近する作業もあり、特殊作業がある際は、毎週ごとに打ち合わせをし、東急との調整を重ねていたという。また、建物の位置も事前にCADを駆使し、確認する手法も導入した。
「今回、都市公園リノベーション協定第一号ということですので、こすぎコアパークはいい指標になったのではないでしょうか」と森所長は、施工のポイントやこすぎコアパーク建設の意義についても述べた。
都市公園リノベーション協定制度への期待
現在、国土交通省は、都市公園についても官民連携を推進している。まずは都市公園のポテンシャルを大きく引き出す「パークPFI」が先行し、第二弾として「都市公園リノベーション協定制度」が制定され、今回、初の導入事例となった。
続けて、同省は2020年10月に「まちづくりと一体となった都市公園のリノベーション促進のためのガイドライン~都市公園リノベーション協定制度の創設について~」を策定している。
都市公園法では、民間が公園施設を設置管理する場合、許可の期間は最長10年だが、「都市公園リノベーション協定制度」を活用すれば、カフェやレストランなどの飲食施設は最長20年に延び、建設投資も回収することも見込まれる点も大きく、これから同制度を活用した公園のリノベーションが全国でも進展するのではないかという見方もある。
何よりも、川崎市中原区は次々とタワーマンションが建設され、少子高齢化に悩む日本の中では、若い世代が多いことで知られる異例のエリアであるため、さまざまなチャレンジができる街である。
そうした街で、「都市公園リノベーション協定制度」を導入した意味は大きい。特にパワーカップル世代が多い場所であれば、飲食施設も充実した公園が必要になっていく。官と民がタッグを組み、公園をもっと便利に、さらに快適な場所となっていけば、街の幸福度はより一段と向上していくだろう。
「都市公園リノベーション協定制度」や「パークPFI」という官民連携制度により、街と公園自体の魅力をアップしていくことに大いに期待したいところである。