全員がその仕事に向いているわけじゃない
建設会社で施工管理の仕事をしていると、いずれは現場代理人とか監理技術者になることを会社から求められるだろう。会社としては当然の姿勢であり、個人としても経験値を積みながら、自らのステージを上げるまたとない機会でもある。
現場代理人や監理技術者を経験していると転職にも有利だ。独立しても、食うに困らない程度に仕事をもらえる可能性は高くなる。
一方で、全員が現場代理人・監理技術者に向いているわけではない。中には、現場全体を統括する仕事は、肌に合わないという方もいらっしゃるだろう。
「役所との折衝や各所との調整が苦手でどうにもならない」という方もいるかもしれない。向いていない仕事をやり続けていると、心身を壊す原因ともなりうる。
向いていないなら派遣社員として働く選択肢もある
現場代理人や監理技術者に向いていない場合、派遣社員として働く選択肢もある。
派遣社員として働く場合、その多くが派遣先の社員と一緒に仕事をすることになるからだ。指示を受けて、現場管理や工務・CADオペといった業務に従事することとなる。
余計な(?)調整を行うことはないし、補助を行うことはあるが全体の統括を行うことはないだろう。なので、心理的なプレッシャーはそれほど大きくないのだ。
私自身、かつては設計業務や施工管理で発注者との折衝や関係機関との協議調整を主体的に行う役割についていたことがある。そのボリュームが一時とてつもなく大きくなり、心を壊してしまった。それが複数回あった。
その体験から、私は現場代理人や監理技術者には向いていないということを理解し、今は派遣社員として働いている。
契約社員でもいいんじゃないか?という声があるかもしれない。契約社員の場合、契約内容にもよるが、設計業務で言えば管理技術者(現場代理人や監理技術者に近しい役割)として仕事をすることもある。
なので、契約内容によっては契約社員として働くより、派遣社員として働くほうがいいこともあるのだ。
会社がブラックというよりは業界全体がブラックなのが建設業なので、入らないのが一番良いですね。