本局にはまだ来たくなかったが、意外と悪くない
――現在のお仕事について、どう感じていますか?
吉松さん 現在は、主に港湾関係の補助事業、交付金事業に関する予算要求を担当しています。なので、港湾管理者である県や市町村の職員の方々とやりとりすることが多いです。
今の仕事は、これまでの仕事と違って、対外的な仕事です。なので、どういう立場でモノを言うのかとか、できるだけ相手の要望に沿ったカタチで対応するにはどうすれば良いかとか、お互いの組織の利害を考えながら、仕事を進める必要があります。言葉のニュアンスとか、過去の経緯とかを踏まえつつ、一つひとつ対応をするのはなかなか大変です。
佐野さん 土木工事などの積算基準の改訂に関する業務のほか、工事の設計書作成する土積システムの保守管理も担当しています。
今の仕事は、直接河川に関わる仕事ではありませんが、河川事業の根本に関わる部分を支えるような仕事です。これからどうしようという検討段階の案件では、自分の意見を盛り込めることもあるので、やっていて楽しいです。問い合わせへの対応もあって、まだまだ慣れない部分もあるので大変ですが、なんとか自分も勉強しながらやっているところです。
市川さん 直轄以外の3ケタ国道や県道、市町村道などの地方道の予算要求に関する業務を担当しています。県の担当者の方々とやりとりするのが、メインになっています。あと、道の駅の相談窓口、歩行者利便増進道路制度の窓口も担当しています。
本音を言えば、本局にはまだ来たくなかったんです(笑)。事務所をもっと渡り歩きたかったので。住民の方々など、対外的な関わりが多いところで仕事をしたかったからです。本局だと内部の人とばかり関わることになる、そう思っていたのですが、地域道路課の仕事は、県とのやりとりがメインだったので、「あれ、悪くない」と今では思っています。私はおしゃべりなので、ドンドン電話かがかかってくるのが、楽しいです(笑)。けっこう自分に合っている席かもしれないと感じています。
自分でも引くほど長時間働いた分、感動があった
――これまで嬉しかったこと、ツラかったことなどはありますか?
吉松さん 迫る工期末、知識不足だろうが駆け抜けなければいけない状況に泣きながら仕事をしたことがありました。一方で、土木技術は、出会うものがすべて新鮮なので、楽しかったです。たとえば、それまで全然わからなかったことが、理屈でわかるようになるのは、楽しい経験です。「この私でも理解できた!」って。あと、後輩からの質問に回答できるようになったことも嬉しいです。間違ったことを言ってしまうこともありますけど(笑)。「自分の武器になる専門的な技術力を持ちたい」という思いがありますが、その一方で「バランスのとれた人間になりたい」という思いもあったります。
佐野さん 問い合わせに対して回答したときに「ありがとう」と言っていただくと、「役に立てたんだな」と思って、嬉しいです。あと、自分が設計や発注などを担当した工事が実際に完成したのを見ると、嬉しくなります。完成までの過程に関わっただけに、「完成したよ」と送られた写真を見るだけで、「やっと完成したんだ」とシミジミした気持ちになります。とくに、膨大な量の書類を泣きそうになりながらチェックした仕事だったりすると、嬉しさもヒトシオです(笑)。
市川さん 最初の職場で、高規格道路の開通に関わったことです。自分の要領が悪いこともあり、開通に間に合わせるため、「え!?」と、自分でも引いてしまうほど長時間働いてしまったのですが(笑)、苦労した分、実際に道路が完成したのを見たときは、感動しました。あと、開通式を経験できたのは、スゴくとても良い経験だったと思っています。当時は技術的な話は正直よくわからなかったのですが、地元の方々が素直に喜んでいる様子を見たとき、心にスッと入ってきました。「あのとき、泣いた涙はこれを見るためにあった」と思いました(笑)。すべてが報われたような気がしました。
あと、大方改良の開通式では、所長に少しずつアピールして司会を任せていただきました。高専のころ放送関連の部にいたので、「自分の得意分野がここで役に立つぞ」と考えたからです。一生の思い出です。
砂防事務所のときに、当時くすぶっていた「SABOカード」をちゃんとやろうという話になったのですが、このときも、メチャクチャ口を出しました(笑)。砂防は、ダムと違って、実際に見に行くのはかなり大変なので、カードでアピールするのは有効だと思ったからです。一般の方にも、もっと知ってもらいたいという思いがありました。

SABOカード(四国地方整備局写真提供)

四国山地砂防事務所のゆるキャラ(?)「ドッシャン」(四国地方整備局提供)
砂防事務所には「ドッシャン」というキャラクターがいるのですが、もったいないことに無名なんです、この子。私はこの子をスゴく推したかったので、とりあえず、名刺にデザインを使わせてもらいました。
そのほかにも、いろいろな方面にドッシャンを登場させられないか打診しました。その結果、松山市の学校の教材として、ドッシャンを出すことに成功しました。YouTubeに動画が上がっているのですが、ドッシャンの声は、私の声にとってもそっくりですよ(笑)。
01.土砂災害について学ぶ / YouTube(松山市〔citymatsuyama〕)
自分の「好き」を大切にしてほしい

吉松さん
――若い人に向けて、四国地方整備局をアピールしてください。
吉松さん 私は、職業を選択するときに、単純に自分のあこがれとか好きなことで選びました。土木を学んだこともなかった私でも、土木の世界にどっぷりと浸かって仕事することができています。ただ「海が好き」というだけでも、ちゃんと自分の仕事にできるんです。そういう間口の広さ、懐の深さ、人材育成の体制が、四国地方整備局の魅力だと思っています。なので、自分の「好き」を大切にして、これからの人生の選択をしてみてください。面白い世界に出会えると思います。

佐野さん
佐野さん 四国地方整備局には、非常に幅広い仕事があります。住民の方々や業者さん、県や市町村の方々など、いろいろな方々と関わりながら仕事を進めていく必要があります。そういうところも魅力だと思っています。私自身プライベートもスゴく充実しているので、仕事もプライベートも頑張りたい人には、オススメの職場です。

市川さん
市川さん 四国地方整備局は、とにかくいっぱい、いろいろな仕事をしています。変な言い方になりますが、いろいろなことに挑戦したい人、飽き性の人にはオススメです(笑)。部署が変わったら全然違う仕事をやることになりますし、同じ部署でも、人によって違うことをやっていたりします。
自分で見て、やってみないとわからない仕事の魅力、というものがあると思っているので、「いろいろ経験したい」という人にぜひ来てもらいたいです。あと、四国内のいろいろな現場を回れるのも魅力だと思っています。どんな仕事であっても、自分の成長を止めないでほしい、ということを伝えたいです。
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