災害から生命財産を守る「カッコ良い仕事」

ドローンを飛ばす鳥越さん(写真提供:中国地方整備局)
――中国地方整備局ではどのようなお仕事をしてきましたか?
鳥越さん 最初の配属先は広島西部砂防山系事務所調査課で、砂防堰堤の調査設計を2年間担当しました。その後は、福山河川国道事務所河川管理課に異動して、工事の発注などを担当しました。現在は、本局の企画部企画課で、職員の採用・リクルートを主に担当しています。学生さんと触れ合うことが多く、目がキラキラした子たちと話していると、元気をもらえます。
これまでのところ、広島県内の職場ばかりですが、けっこう珍しいと思います。同期を見ると、県をまたいだ異動が多いので。「山陽で働きたい」という希望は出していたので、一応希望が反映されたのかなと思っています。
最初の職場で砂防堰堤の担当だと知ったときは、砂防堰堤そのものに馴染みがなかったので、初めは戸惑いました。いっぱいいっぱいになってツラいことはありましたが、入省後の研修やOJTなどの制度がしっかりしていたので、なんとかなりました。

現場作業中の森元さん(写真提供:中国地方整備局)
森元さん 私も最初の配属先は広島西部山系砂防事務所で、工務課でした。鳥越さんとは1年間ご一緒しました。「河川をやりたい」ということで入省したので、これも鳥越さんと同じく、「砂防ってなに?」という感じでした(笑)。ただ、実際に砂防の仕事に携わっているうちに、災害から生命財産を守る仕事という意味で、カッコ良い仕事だなと考えるようになりました。
3年目に岡山河川事務所管理課に異動し、河川維持管理に関する発注などを担当しました。「やっと河川に携われるぞ」というワクワク感がありました。今年度からは工務課と出張所の兼務になって、現在は河川事務所と出張所を行ったり来たりしています。ただ、今仕事が楽しいかと言われると、即答は難しいんですけど(笑)。
たとえば、工事の変更契約のときに思うのですが、出張所の職員としては、業者さん側にたって「こうしてあげたい」という気持ちになるのですが、工務課の職員としては、予算の都合もあり厳しめになるため、「それは、ウチでみてあげられないんだよなあ」ということになったりすることがあります。本務は出張所のため基本的には出張所職員として対応していますが、変更契約のときはどちらの立場でもあるからこそどう対応しようか難しい場面がありました。
これまでのところ、デスクワーク中心です。出張所勤務になってからはよく現場にでています。広島で勤務していた頃はテレワークすることもけっこうあったのですが、最初のころはネットワークにつながっていなかったので、設計書のチェックなどをPDFでやらざるを得ず、メチャクチャ時間がかかって大変でした。

出前講座で説明中の永松さん(写真提供:中国地方整備局)
永松さん 今年4月から山口河川国道事務所河川管理課に配属になりました。今は堤防工事などの発注を担当していますが、まだまだ勉強中ということで、他のラインのお仕事もお手伝いさせていただいたりしています。たとえば、地元の学校で防災関連の出前講座などを担当しました。
ツラさを乗り越えると、やりがいになる
――仕事で嬉しかったこと、ツラかったことはありますか?
鳥越さん 私が入省した年に、平成30年7月豪雨災害が起きました。入ったばかりでなにもわからない状態だったのですが、被災地に新たな砂防堰堤をつくるため、調査のため、先輩方と一緒に現地入りしました。被災者の方々とお話をしたのですが、「ありがとうございます」と言ってくださる方が多かったんです。それが嬉しかったです。
ただ、1年目の右も左も分からない状態のまま、ひたすら仕事に追われたので、ツラいときもありました。ツラさを乗り越えると、やりがいになることを学びました。
森元さん 土砂崩れが発生したときに、中国地方整備局が整備した砂防堰堤が土砂を食い止め、被害発生を防げたのを知って、自分たちがつくったモノが、人の生命財産を守ることができるんだと思って、嬉しく思いました。
ツラかったことは、入省1年目のとき、委託業者さんから質問を受けた際、今思えば基本的なことだったと思いますが、なにも答えられなかったことです。質問の意図さえわからず、なんでわからないんだろうと自分に対して怒りを覚えました(笑)。「自分で調べてもわからないときは、素直に先輩に聞くべき」ということを学びました。
永松さん 出前講座を担当したときに、生徒の皆さんに説明をしたときが嬉しかったです。これまで大勢の人に対して、物事を教えるような機会はなかったので、とても緊張しました。自分が学生のころに見てきたような大人になれたのかと思うと、感慨深い気持ちになりました。
ツラいことは、先輩や受注者さんなどが話している内容が、まるで理解できないときがあることです。知識も経験も浅いので、どんどん勉強して成長していきたいです。