全長154mの橋梁を空中だけで架け替える
――現在はどのようなお仕事をしているのですか?
大池さん 今年7月から、部内の異動で改築・更新事業課長として、大規模更新・修繕工事の現場監督員をしています。喜連瓜破大規模更新事業に関して、以前の部署でも関係していたことから、状況の把握はしていましたので、すんなりと現状に馴染むことができました。楽しく仕事をさせてもらっています。
――そもそも、なぜ高架橋を架け替えるのですか?
大池さん 喜連瓜破高架橋が架かる14号松原線は、1980年に供用開始した路線です。交通量の多い国道479号(内環状線)と長居公園通りとの瓜破交差点の上空となる高架橋で、ディビダーク形式の中央部に剛結されていないヒンジ構造を有したPC3径間箱桁で全延長は154mになります。建設当時の技術では、この構造が最適だと判断されました。
ところが、供用後から、中央径間におけるクリープ現象や温度収縮などの要因により想定以上の垂れ下がりが進行してきました。最大24cmほどの垂れ下がりが発生したんです。そこで、この垂れ下がりをなんとかしようということで、2003年に、桁下に外ケーブルを設置・緊張し、変形を抑制する補強工事を行いました。
さきほど、高架橋の下には交差点があると言いましたが、この街路は交通量が非常に多い状況であり、補強工事を行うに際しても、街路への影響を最小限とした対策とする必要があり、外ケーブルによる補強工事を実施したわけです。言ってみれば、「苦肉の策」でした。
大池さん この補強工事により、垂れ下がりに対し、4cmほど回復させることはできたものの、20cmほどの垂れ下がりは継続している以上、高架橋が抱える問題が抜本的に解決されたとは言えません。
そこで、2015年に高速道路リニューアルプロジェクトを立ち上げ、学識経験者からの意見聴取を踏まえ、更新方法の検討を進め、2019年度に架け替え方針を決定しました。
2021年有識者や自治体をまじえた工事実施検討会を設置し、う回路を設置する案も検討されましたが、交通規制に伴う渋滞など沿道・近隣に多大な影響が生じることが予想されており、その影響を最小限にとどめる施工方法を検討した結果、高速本線通行止めによる架け替え案が、工期が最短であり周辺街路への影響を最小化できるという結論となりました。う回路となる6号大和川線が全線開通したことも大きな要因となっています。
「空中で勝負する」
――どのような工事なのですか?
大池さん 工事を進めるに当たっては、安全はもちろんのこと高架橋直下の交差点を利用する方々、周辺にお住いの方々への影響を最小限に抑えることを大前提として施工計画を立てています。
工事の流れとしては、既設橋を撤去する前段階として、既設橋の上に桁撤去作業用の移動作業車を吊るすための仮設桁を設置していきます。現在(2022年9月末時点)はこの段階で、15ブロック中、7ブロック設置済みです。
仮設桁の設置完了後、既設橋の撤去に入ります。撤去工は、仮設桁につるされた作業台車内のクレーンを利用し、建設時とは逆の方法で橋の両端と中央ヒンジ部から既設橋を切断吊り上げ、順次撤去していきます。桁部の撤去後、中央部2橋脚の柱頭部の撤去を行います。これら撤去工事に最も時間を要する予定であり、2023年冬の撤去完了を見込んでいます。
撤去完了後、鋼製梁の一括架設・新設桁の多軸台車を用いた送り出し工法によって架設するほか、交差点直上の中央径間部については、多軸台車で交差点まで運んだ後持ち上げる、一括架設を行います。
――工事のポイントはなんですか?
大池さん 一言で言えば、「空中で勝負する」ということです。既設桁の撤去・新設桁の設置とできる限りのことを上空だけで進め、街路の交通影響を短期間に抑えるということで取り組んでおります。上空での作業から絶対に物が落ちることのないよう、対策も万全にし取り組んでおります。
――この現場で心がけていることはなんですか?
大池さん 未経験なところが多い工事なので、どのようなリスクが潜んでいるか、その辺も考慮しながら、工種・工程の推移をきっちり見守っていくことが重要だと考えています。沿道の皆様にご迷惑をお掛けしながら工事しているという意識を常に持ちながら、積極的に情報発信しつつ、早期工事完了を目指していきます。
――情報発信と言いますと?
大池さん 現場近くに、展望台を備えた情報館というスペースを設置しています。毎週定期的に開放し、工事情報の発信とともに、地元住民の方々のご意見などをいただける場として活用しています。
都市高速の最初から最後まで見られるのが魅力
――これまでの仕事で思い出に残る仕事はありますか?
大池さん やはり神戸高速鉄道に出向して携わったトンネルの仕事ですね。普通では経験できないアンダーピニングによる鉄道函体の受け替え工事を担当できたのは、非常に大きな経験になりました。
それぞれの函体が斜角で交差することから、密集する仮受杭間で道路開削トンネルに必要な鉄筋と鉄道函体を本受けする鉄筋が複雑に入り混む状況であり、図面を眺めているだけではわからないことが多かったことから、実物大の供試体をつくり、いかに鉄筋が密集しているかの確認とどのように対応するか、コンクリートの充填性も確認・実演し、関係者の理解を得ることができました。「理解してもらいたいことを見せられた」という満足感がありました。
あと、出向中に阪神高速が民営化されたのですが、「阪神高速の仕事にちゃんと帰れるのかな」と真剣に心配したことも、良い思い出になっています(笑)。
――企画、計画、建設、維持管理と本当に幅広い仕事を経験してこられましたね。
大池さん そうですね。会社には感謝しています。都市高速の仕事の最初から最後まで見られるのは、やはり大きな魅力だと感じています。
私がこれまでいろいろ経験させていただいた・自由にさせていただいた分、若い社員にもどんどん仕事を任せていきたいと考えており、自由に仕事ができるよう、全力でサポートしていきたいと思っています。なので、こうしたいと思ったことがあっても、できるだけ飲み込むことにしていますが、本当にできているのかどうか、心配なところです(笑)。
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おたくは偉くて現場の現状知らんやろうけど、あんたらが雇ってくる委託監督が、保身で作らせる、無駄な書類。あれ何とかしてよ。竣工検査で見ることなく終わるものばかり、、、
それと偉そうな態度。ほんまもんの発注者が偉そうにしとるのは100歩譲ってガマンするけど、なんでクソ委託が偉そうにしてんだよ