他社と交流することで、初心に帰れる
――ICTにチカラをいれている会社さん同士のつながりはあるのですか?
小俣さん あります。ICT施工をやっている他社さんと交流したいという思いは、昔からありましたが、長年出会うことができないでいました。それは残念に思っていました。関東にはそういう会社がなかったので、正直ちょっと天狗になっていました(笑)。他にICT施工を内製化している建設会社がなかったからです。
なので、ウチが有名になって、北海道や中部など、他の地域でICT施工にチカラを入れている会社の方々と会うことができるようになったことは、非常にありがたいことだと思っています。そういう会社さんの話を聞くと、素直に「スゲー」と思います。新しい情報が得られるようになったし、私も初心に帰ることもできました(笑)。
「ICTをやりたい」という学生には、意地悪な質問をしがち(笑)
――ICTはリクルーティングにも効果があったんですよね。
小俣さん そうですね。ただ、私は本音としては、ICT施工をやりたいなら、メーカーとかシステム会社といったICT施工しかやらない会社に入ったほうが良いと思っています。と言うのも、ウチはICT施工じゃない現場もやっているからです。
入社面接で「ICTがやりたい」と言っている方がいたら、「ICTじゃない現場もあるけど、担当になったらどうするの?」と聞くことにしています。むしろ、「土木工事をやりたい」とか「職場の雰囲気が良いと感じた」と言う方が良いです。「ICTをやりたい」と言われると、イジワルな質問をしてしまいがちです(笑)。キラキラしたイメージだけじゃなくて、厳しい現実をある程度知った上で、入社して欲しいからです。
ただ、「たくさんの方に来てもらいたい」という思いはあるので、ICT施工でいろいろなメーカーのホームページだったり、YouTube動画だったりには、積極的に露出することにしています。世界的なメーカーのホームページにウチの会社が出ていると、「信頼できる会社なのかな」と思われるじゃないですか(笑)。あと、個人的にもInstagramをやっています。
すでにBIM/CIM活用工事を3本ほどやっている
――来年度からBIM/CIMが原則適用になりますが、どうお考えですか?
小俣さん 金杉建設ではすでに、BIM/CIM活用工事を3本ほどやっています。なので、基本的には、従来通りでなにも変わらないです。BIM/CIM原則適用は、個人的には大変嬉しく思っています。なぜかと言うと、私は以前から、施工するところだけ3Dデータをつくるのではなくて、全部ひっくるめて3Dモデリングしてきたからです。
ICT施工は、最低限レベルで言えば、現況を測量して、3Dの設計データをつくって、重機に入れて、出来形を測量して、納品するということになります。私はこれに加えて、現場の点群データをとったら、ついでに仮囲いのモデリングや、ICT施工以外の部分のモデリングをしています。つまり、ウチ独自で、以前からBIM/CIM的なことをすでにやっていたわけです。ICT施工をやるなら、3Dモデリングするのはスゴく自然な流れなので、特別なことをやるわけではありません。
発注者の中には、3Dモデリングに非常に興味がある人もいるので、そういう人には3Dモデルはとても響くので、話がスゴく盛り上がるんです。ただ、中にはあまり興味のない人もいて、「へー」で終わってしまう場合もありました(笑)。
BIM/CIMが原則適用になれば、そういった取り組みをどんどん外に出していって、多くの職員さんとの話が盛り上がるかなと期待しています。これまで出すタイミングがなかった情報を書面で残せるのも、嬉しいですね。なんなら「もっと早く全面適用にならないかな」とすら思っています。とにかく楽しくなってきました(笑)。
BIM/CIMは、工事にいろいろな付加価値をつけることだと考えています。3Dプリンターで模型をつくるとか、ARをつくることなどによって、発注者や住民などにアピールすることができるようになります。最初はシリを叩かれながらやり始めるとしても、そのうち自分たちで勝手にどんどんやってくようになるんじゃないですか。BIM/CIMは良い技術なので。
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