若手社員はICT機器を使いこなせているのか
金杉建設株式会社の記事はすでに2本出したところだが、これで終わりかと思いきや、実はもう一本取材していた。若手社員への取材だ。
「ICT施工は若者ウケが良い」という話は、金杉建設に限らず、他社でも良く聞く話だが、そういう若者がICT機器をちゃんと使いこなしているのか確かめたい、という思いがあったからだ。
ちょっとドローンを飛ばしたぐらいで浮かれているようでは、話にならない。そういうステージはとっくの昔に過ぎ去っている、と個人的には思っている。それはともかく、入社2年目から入社6年目までの若手社員にいろいろお話を聞いてきた。
金杉建設株式会社1本目の記事はコチラ
金杉建設株式会社2本目の記事はコチラ
見た目が若手じゃない人間が1名
――まずは自己紹介をお願いします。
矢吹さん 私は入社6年目です。i-Construction推進室で、3D測量やデータ作成といった、ICT施工現場のサポート的な仕事をしています。
稲川さん 入社5年目です。現在は、江戸川の築堤盛土工事の現場代理人をやっています。
松崎さん 入社4年目です。工事部に所属し、都幾川の築堤工事に補助として入っています。
小倉さん 入社2年目です。工事部に所属し、江戸川の築堤盛土の現場と切り回し道路の現場に従事しています。
地場の建設業に入りたいな
――金杉建設に入社した理由はなんでしたか?
矢吹さん 大学の研究室の教授にススメられたからです。一応土木系の研究室でした。私は埼玉出身なのですが、漠然と「地場の建設業に入りたいな」とは思っていたのですが、ダラダラしていたら、「お前、ココ行けば良いんじゃないか」と言われ、試験に受かったので、それで入社しました。
稲川さん 私はちょっと特殊なのですが(笑)、家業が祖父の代から金杉建設の下請けをやっていまして、「修行」ということで、金杉建設に入りました。つまり、コネ入社です(笑)。大学ではなぜか、経営学を学んでいました(笑)。
松崎さん 出身は茨城で、東京の建設系専門学校を卒業した後、コンクリートの調査会社で3年間ほど働いていました。金杉建設は、友だちに誘われたのがきっかけで、入社しました。
小倉さん 大学では、自然災害や環境系の勉強をしていたのですが、金杉建設のインターンシップに行ったのがきっかけで、金杉建設に入りました。外に出るのは苦にならないので、河川などで現場仕事ができることにひかれました。
「完成と認めます」と言われた瞬間がスゴく嬉しい
――入社してから、これまでどのようなお仕事をしてきましたか?
矢吹さん 最初は工事部に配属され、3年ほど現場に出ていました。2年目にICT施工の現場を担当したのですが、上司がICT施工は良くわからないということで、ICT施工に関する仕事が私に一任されたんです。そこで起工測量や3Dデータ作成などについて一通り学びました。もともと、新しいもの好きで、パソコン(CADなどのソフト含む)をいじったりするのは得意なほうだったので、けっこうスンナリいけました。その後、i-Construction推進室に異動になりました。
稲川さん 最初は築堤の現場に入りました。入社5ヶ月ぐらい経ったころから、江戸川の維持工事の現場代理人をやりました。2年目まで維持工事をやった後、築堤工事の代理人を2年やりました。その後、河道掘削工事の現場代理人をやって、今に至ります。現場代理人ばかりやってきた感じです(笑)。最初のころは先輩について仕事をしていましたが、そのうち1人で全部やるようになりました。役所にも1人で行くようになりました。行くうちに、役所の人とも仲良くなれました。
現場が終わって、「完成と認めます」と言われたときは、「建設業をやっていて良かった」と思います。キツい現場であればあるほど、スゴく嬉しくなります。
松崎さん 最初に入った現場は造成工事の現場で、そこに1年半ほどいました。 その後は築堤工事の現場に入って、3年目に現場代理人をやりました。そのときは「仕事を任された」ということで、嬉しかったですね。4年目の今年は、1年間あちこちの現場の補助をするということで、測量したり、設計データをつくったりしています。最初の現場は、なにも知らない状態で入って、測量から施工まで一通り学ぶことができたので、印象に残っています。前の仕事と比べると、仕事の責任感が増すので、そこが違うのかなと感じています。