羽田空港で働く女性現場監督
関東地方整備局の女性職員3人目は、東京空港整備事務所に勤務する冨田彩花さんだ。羽田空港という超重要インフラを支える仕事とはどのようなものなのか。
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大学ではコンクリートを研究
――港湾の仕事に興味を持ったきっかけはあったのですか?
冨田さん 私は地元が茨城なのですが、東日本大震災が起きたときに、海の近くにある友だちの家が津波で浸水したんです。それでみなとの防災を意識したのが、港湾整備に興味を持ったきっかけでした。
――学校ではどのような勉強をしましたか?
冨田さん 大学で土木系の学科に進学しました。研究室はコンクリート構造物のストックマネジメントに関する研究室で、私は、プレキャストコンクリートの目地に関する研究などをしていました。大学院では、塩化物イオンの拡散性の検討方法に関する研究をしていました。
――大学ではコンクリートの研究をしていたんですね。
冨田さん そうですね。
――コンクリートの研究を選んだ理由はなんだったのですか?
冨田さん 研究室の先生が、港湾や空港関係の研究をされている先生だったので、「この先生のもとで研究がしたい」と思ったからです。コンクリートの中でも維持管理に興味がありました。
大きな視野を持って、港湾の仕事をやりたい
――就活はどんな感じでしたか?
冨田さん 港湾の仕事に就きたいと思っていたので、マリコンなども考えましたが、日本の港湾政策という大きな視野を持って港湾の仕事をやりたいということで、国土交通省を選びました。関東地方整備局を選んだのは、地元茨城の港湾も所管しているからです。
関東地整の出先としては珍しい夜勤のある職場
――これまでどのような仕事をしてきましたか?
冨田さん 最初の配属先は、横浜にある港湾空港部港湾計画課というところで、海岸の予算関係の仕事を担当しました。本省とやりとりしながら、海岸管理者である自治体の海岸整備のための予算を確保するという仕事をメインでやっていました。
――今はどのような仕事をしていますか?
冨田さん 昨年の4月から東京空港整備事務所第二建設管理室に異動して、滑走路と誘導路の整備を担当しています。今主に担当しているのは地盤改良工事の現場監督です。通常の現場監督業務以外にも、空港管理者である航空局との工程調整などをおこなっています。制限区域内の工事は、基本的に夜間工事になるので、この事務所には夜勤があります。関東地方整備局の事務所としては珍しい勤務体制です。
――夜勤に対する不安とかはなかったですか?
冨田さん 夜勤に対する不安はなかったのですが、空港内の移動は基本クルマなので、クルマの運転に対する不安はちょっとありました。ペーパードライバーだったからです(笑)。実家に帰省して運転の練習をしました。
――夜勤はどれぐらいのペースであるのですか?
冨田さん 2~3週間に1回とかですね。夜勤のときは、夕方4時に出勤して、翌日の朝9時半まで仕事をします。夜間工事が始まるのは夜の12時ぐらいからです。夜勤明けは、なるべく寝ないようにしています。生活のリズムが崩れてしまうので。