本当に女子しかいない(笑)
――土木の先生ということで、学生さんの反応はどうですか?
松永さん 最初は当惑したと思います(笑)。前年の11月ごろ、内定をもらった後に学生と会い、自分の研究内容などについて説明しましたが、たぶんよくわからなかったと思います。研究室に来てからも、ちょうどコロナが重なった時期だったので、学生とリアルに会う機会がほとんどないままでした。なにが正解かわからないまま、いろいろなことを手探り状態の中でやっていました(笑)。
――実際に福岡女子大学で教えてみて、どうですか?
松永さん 昨年1年間、1年生を対象にした入門講義を担当したのですが、初めてリアルな講義をして、「本当に女子しかいない」と改めて思いました(笑)。
モデル式の話をしたら、学生からドン引きされた
――福岡女子大学の学生さんについて、どう見ていますか?
松永さん それは人によってマチマチなので、一概には言えないですね。私の所属は、環境科学科の中でも生活コースでして、家政と建築みたいなコースになっています。例年、3年生を対象にした先生による研究室紹介があるのですが、そこで聞いた話を参考にして、研究室を選ぶのが一般的だと思います。
――松永先生はどういうプレゼンをしているのですか?
松永さん ざっくり、「まちづくりや都市計画、土木計画なんかをやっています」という話をしています。たとえば、キャンパス内のバリアフリーに関する研究をやりましたという話をすると、学生の反応が良かったということがありました。内容的にはシンプルな調査だったのですが、車椅子に乗ったり、色覚アプリなどを使いながら、積極的にやっていました。自分たちが通うキャンパスなので、身近だったというのが大きかったと思いますね。あとは、コミュニティバスの話なんかも反応が良かったです。
ただ、今の4年生を相手にモデル式の話をしたら、ドン引きされてしまいました(笑)。アクセシビリティ指標をつくる際に、重力モデルを使うという話をしたら、ゴリゴリの数学モデルを使ってやるんだと勘違いされてしまったようです。モデル式の変数に数値を入れるだけの話なのですが、おそらく、コースが違うので、そういう授業をあまり受けたことがないからだと思います。ただ、何人かはコミュニティバスの研究をやりたいと言っているので、実は興味を持っているのかもしれませんが、よくわかりません(笑)。
今年秋の土木計画学研究委員会の研究発表会で論文が採択されたので、学生を連れて行く予定です。
土木の人間として、私自身はあまり変わっていない
――学生さんの就職先はどんな感じですか?
松永さん 就職については、私はほぼノータッチです。福岡女子大学では基本的に、大学の事務局を通して企業の求人が来るので、それぞれの学生が独自に活動しています。就職先は、公務員、製薬会社、金融、小売業、IT関係といった感じで、バラバラです。強いて言えば、最近は公務員志望の傾向があるように思います。
――九大から福岡女子大学に来て、なにか変化はありましたか?
松永さん 土木の人間として、私自身はあまり変わっていません(笑)。もちろん教える場所や内容は変わりましたが、九大や土木学会、国や自治体の審議会といった外部との付き合いは以前のままです。ただ、外部から頼まれる機会は増えました。女性のメンバーが必要というケースもあるからです。
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