こだわり過ぎると、技術者として進歩がなくなる
――現場では「こだわり」は必要なモノなのですね。
藤井さん ただ、最近になって、「独りよがりなこだわりが過ぎるのは良くない」と思うようにもなっています(笑)。やはり、広くいろいろな意見を聞かないと、技術者として進歩がないからです。
たとえば、測量をやる場合、10人いれば10通りのやり方があります。工事の仕方、安全管理、掘削の方法なんかも同様です。「自分はこうやる」というモノは持ちつつも、他人のやり方も貪欲に吸収できる自分でありたい、と考えるようになっています。「アイツの言うことは聞かない」といったような姿勢をとらないように心がけています。現場の他の人間にもそう言っています。
――いわゆる「聞くチカラ」ということですか?
藤井さん ただ聞くだけではダメなので、考え、納得し、自分の意見に昇華させそれを実行、実践に移し、結果を出すことが大事です。そうであってこそ、人の成長にもつながるからです。
――深いお話ですね。
藤井さん 私はこれまで、細かいことでも、「こうやるのが一番正しい」ということが結構ありましたが、「それがすべてではない」と思うようになりました。
――人に「任せる」ということですか?
藤井さん そうですね。「任せるチカラ」ですね。しかし、まだまだ任せきれないことも多くあります。失敗を恐れず、勇気を持って任せることを心がけている、というところです。自分がやる以上に、注意して、任せるということをやっています。
――「コイツなら任せられる」をどう判断しているのですか?
藤井さん 常日頃その人間を見ていれば、だいたいのことは分かってくるものです。「これがポイント」というものはないですが、人間全体を見て、「任せられる、ここまではできる」ということを判断しています。
一番難しいところですね。やみくもに任せるのではなく、ちゃんとフォローしながらも、できる限り任せていく、という感じです。
小さな声でボソボソ話すような人間は、現場力があるとは言えない
――施工管理の仕事は「コミュ力が大事」という話をよく聞きますが。
藤井さん 私もそう考えています。朝のあいさつに始まり、声かけ、雑談といったコミュニケーションは、現場では絶対に必要なことです。
私自身のモットーは「明るく、元気に、ほがらかに」ですが、現場の人間にもそれを求めています。たとえば、小さな声でボソボソ話すような人間は、現場力があるとは言えないと思っています。
とりあえずは、「明るく、元気に、ほがらかに」ができてさえいれば、コミュニケーションもとれるようになりますし、現場のちょっとした情報なんかも自然と集まってくるようになるものです。
――藤井さん自身、現場でも常にそのように振る舞っているのですか?
藤井さん それはちょっと違うんですけどね(笑)。自戒の念を込めて言ってます。そのように努めようとしているところです。
――ふだんはもっとイカめしいんですか?
藤井さん いやいや、そうではないと思うんですけどね(笑)。
ビッグプロジェクトに携われる一方、職場の希望も聞いてくれる
――鹿島建設という会社の魅力はなんですか?
藤井さん まずなにより、ビッグプロジェクトに携われることです。この現場もそうです。あとは、社内にはいろいろなチームがあるので、自分がやりたい分野、得意とする分野の仕事に携われるチャンスが大きいことです。施工管理以外にも、設計や開発といった部署もあるので、仕事の幅がとにかく広いです。
勤務地についても、社員の希望を極力叶えてくれます。どこかの支店で働きたいと言えば、希望を尊重してくれます。こういったところも鹿島建設の魅力だと思っています。
不測の事態を乗り越えるおもしろさ、ドキドキ感
――トンネルの魅力についてはどうですか?
藤井さん 不測の事態に対峙したときに、それと調和しながら、工事を進めていき、それを乗り越えることのおもしろさ。そこに魅力を感じます。トンネルは貫通の瞬間がその最たるものです。
どんな工種、現場にも難しさはあるものだとは思いますが、苦労に苦労を重ねて、その仕事がやっと完成したときの達成感。これがないと、おもしろくはないです。
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