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旭建設が目指す「疲れない会社」とは?

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四国の犬
公開日:2023.05.10
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黒木 繁人さん 旭建設株式会社 代表取締役社長

黒木 繁人さん 旭建設株式会社 代表取締役社長

目次
  1. 10年以上前から「残業禁止令」を掲げる会社
  2. 現場仕事はオレにはムリ(笑)
  3. 残業しないように知恵を出しなさい
  4. 結局は経営者が決心できるかどうかだけ
  5. 人が喜ぶ会社づくりができていれば人は辞めない
  6. 3Dのモノをつくるなら、2Dの設計図じゃダメ
  7. TVCMなどを通じて、建設業界内外にインパクトを与えていきたい
  8. 目指すは「疲れない会社」
  9. 「常に考える」とは?

10年以上前から「残業禁止令」を掲げる会社

宮崎県日向市に本社を置く旭建設株式会社に取材する機会を得た。旭建設は、10数年前から「残業禁止令」を掲げ、建設現場も含めたいわゆる働き方改革に取り組んできている。

これに伴い、10年ほど前からICT施工にも対応してきている。いわゆるインフラDXをずっと前から実行しているというわけだ。

この先見の明はどこから生まれたのか、なぜ実行できたのか。一連の取り組みの仕掛け人である社長の黒木繁人さんのホンネに迫った。

現場仕事はオレにはムリ(笑)

旭建設本社が入る旭ビル

旭建設本社が入る旭ビル

――ユニークな社屋ですね。マンション一体型で、テナントに美容サロンが入っています。

黒木さん そうですか(笑)。先代社長が昭和33年ごろに建てたのですが、どうせ建てるなら収益が入る社屋にしようということで、こういう社屋になりました。普通のオフィスビルより、マンションのほうが収益性が良さそうだと考えたようです。

――黒木さんが社長に就任したのはいつごろですか?

黒木さん 23年ほど前ですね。

――社長の前は旭建設で働いていたのですか?

黒木さん そうですね。学校を出てほどなく、旭建設に入社しました。40年ほど前のことです。現場に出たのは最初の4年だけで、あとはずっとバックオフィスの仕事ばかりやっていました。「現場の仕事はオレにはムリだな」と思ったものですから(笑)。現場はとにかくやることが多いので。品質管理に至っては数ミリレベルで管理しているわけでしょ。なので、「みんなよくやっているなあ」と今でも思っています(笑)。

――2代目社長ですか?

黒木さん そうです。

残業しないように知恵を出しなさい

インタビューに答える黒木社長

――まず、お伺いしたいのは「残業禁止令」についてです。10年以上前に出したそうですが、そのココロはなんだったのでしょうか?

黒木さん 毎日朝8時から夕方5時まで仕事をすると、普通の人は疲れます。定時が来たら「家に帰りたい」と思うのは当たり前のことです。違う言い方をすれば、「仕事は時間内に終わらせるもの」ということになります。

会社としては、社員には定時に仕事を終えてもらい、ちゃんとリフレッシュしてもらって、翌朝には元気に出社してもらいたいわけです。ダラダラ残業した結果、翌朝疲れて出社する姿は見たくないんです。

――初歩的な質問で恐縮ですが、それだと仕事が回らなくなりませんか?

黒木さん そこは経営者の決心次第です。社員に対して「残業するな」とはっきり言えるかどうかという、非常に単純な問題なんです。「残業するな」と言い続ければ、残業しなくなるものなんです。

中には、会社に隠れて残業している社員もいるかもしれませんが、ほとんどの社員は、残業ができない以上、時間内に仕事を終わらせようと考えるようになるからです。

私が残業禁止令を出したのは、社員に対して「残業しないように知恵を出しなさい」と言いたかったということもあるんです。

――残業禁止令が社員に浸透するのにどれぐらい時間がかかりましたか?

黒木さん 1ヶ月ぐらいだったと思います。当時の総務部長は毎日、各職場に「帰れ」と電話で命令していました。

――「まだ仕事が終わっていないので、帰れません」という返事が返ってきそうですけど。

黒木さん そういうのはなかったと思いますよ。あくまで会社からの命令なので。

――社員の仕事に対するモチベーションに変化はありましたか?

黒木さん 私はモチベーションは上がったと思います。もちろん目に見えない部分ですが。残業しないほうが人間らしい生活ができる、私は単純にそういう話だと考えています。

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結局は経営者が決心できるかどうかだけ

――ワークライフバランスをどうとるかは、建設業界的にはいまだ現在進行形の問題になっているものと承知していますが、10数年前の時点でそれを実行に移したのは、かなり思い切った決断だと思われます。

黒木さん 私は「ライフワークバランス」という言い方をしています。仕事はたしかに大事ですが、生活のほうがもっと大事だからです。

――そういうお考えはもともとお持ちだったのですか?

黒木さん もともとですね。そっちのほうが人はイキイキするからです。ただ、どうしても残業しないといけない場合は当然あります。そういうときはそういうときで、これも経営者の決断が大事になってきます。残業することに対して経営者としてちゃんと価値をつけて、社員をしっかり説得するということをやれば良いと思っています。

べつにすべての会社が同じやり方をする必要はありません。それぞれの会社が、それぞれの持ち味や形態、仕組みに合わせて、生活と仕事のバランスをとっていけばそれで良いと考えています。

――同業他社からアドバイスを求められることもあったと思いますが。

黒木さん ウチはべつに特別なことは何もしていないんです。なにをするにしても、結局のところ、経営者が決心するかどうかだけなんです。「これをしよう」と号令をかけて、社員を従わせることができるかどうか。それだけの話だと思っています。

――一度「これをやる」と決めたら曲げないということですか?

黒木さん 曲げるかもしれません(笑)。

――あ、そこは柔軟に対応するんですね。

黒木さん ええ、自分が間違っていると思ったら、曲げます。

――ただ、残業禁止令に関しては曲げずにやってきたということですか?

黒木さん そうですね。その後、世の中の流れが近づいてきましたし、残業禁止については曲げずにやってきて良かったと思っています。

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コメント(1)

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  • - 2023/05/22 6:54

    工期と予算という施工管理には、足枷があります。営業が仕事取って来て会社が契約。この時点で現場は、無理して施工する現場が多々あります。会社は、やれの一言。今の時代、こういう取組みしてる会社がもっと増えないかなと思います。じゃないとブラック過ぎて若手が辞めます。笑

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