遠隔臨場に頼りすぎるのは良くない。生の現場を見て判断すべき
――ICT施工に関する取り組みはどうですか?
湯浅さん 他社さんと比べるとまだまだですが、ちょっとずつ取り組んでいるところです。
――遠隔臨場とかはどうですか?
湯浅さん ウチが受注する工事の場所は山奥がほとんどなので、携帯の電波が飛ばず、遠隔臨場ができる工事は少ないです。電波が届く現場はやっていますが、個人的には、遠隔臨場ではなく、実際に現場に来てもらいたいという思いがあります。
――それはどういうことですか?
湯浅さん 遠隔臨場に頼りすぎるのは良くないと思っています。この仕事は自然相手で同じ現場は絶対にありません。効率が悪くても、多くの現場に来てもらい、見る、聞くを繰り返して、現場のことを良く解ってもらいたいと思います。昔の刑事ドラマじゃないですが、「工事は事務所でやってるんじゃない、現場でやってるんだ」です(笑)。
従業員の残業はほぼほぼなし
――働き方改革への対応はどうなっていますか?
湯浅さん 弊社では近年、現場も含め、ほぼほぼ残業はありません。工事完成前や、トラブルでその日の工程が遅れたときに、すこしだけあるぐらいです。なので、今すぐ時間外の上限規制がかかったとしても、とくに影響はないと思っています。
――書類づくりも含め、時間内で終わっているということですか。
湯浅さん そうです。昔の技術屋さんは、昼間の現場が終わってから書類仕事をすることもありましたが、今はできるだけ昼間に現場事務所とか会社に戻ってきて書類作りをやってもらうようにしています。私自身、現場に出ていたころは残業するのはイヤだったので、昼間に現場を見ながら書類作業をやっていました。今の書類の量とは比較になりませんが…。
ウチで働いたら、お金はたまる一方
――経営上の課題としてはなにがありますか?
湯浅さん やはり今後の人材確保です。今は大丈夫ですが、この先10年、20年やっていこうとなると、今後さらに人口が減っていくだろうし、とくに魚梁瀬のような僻地に帰ってくる人はなかなかいないだろうし、大きな不安があるところです。ホームページなどを通じてPRしたり、帰ってきそうな人がいたら声をかけたり、コツコツやっていくしかないのが現状です。
それに関連して、建設業に携わる方々の待遇はもっと改善しなければならないと考えています。ここ数年は社員の賃金をできるだけ上げてきているところですが、もっともっと待遇を良くしていかないといけないという思いがあります。
建設業に携わる方々は災害時に生かせる特殊な技能を持ってます。警察官や消防士などと一緒で、いなくなったらいざというとき、地域社会はかなり困る存在です。なんとか建設業に携わってくれる人がいなくならないよう、待遇をさらに改善しつづけていける環境が必要だと思います。
――リクルーティングをする上で、湯浅建設の強みはなんだとお考えですか?
湯浅さん 先ほども言いましたが、やはり人を育てる環境ですかね。資格も会社負担でどんどん取りにいってもらいます。何年か仕事をすれば、素人からでも一人前の技術者、技能者になってもらえる自信はあります。そして自分が言うのもなんですが、弊社の社員はみんないい人ばかりです。これは何よりものリクリーティングにおける強みだと思ってます。
あと馬路村内に住むと、馬路村役場や会社からいろいろな補助が出ます。そして周りにはお金を使う娯楽などもないので、お金はたまる一方だということです(笑)。
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